劇場公開日 2013年3月23日

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「”XーDAY”というテーマには個人的に興味あるので、非常に面白かった。X-DAY後の世界も見てみたいです。」相棒シリーズ X DAY Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0”XーDAY”というテーマには個人的に興味あるので、非常に面白かった。X-DAY後の世界も見てみたいです。

2013年11月21日
PCから投稿

知的

難しい

円、株、債権、トリプル暴落の日”X-DAY”をめぐる攻防。

フィクションだけれども、これだけはっきりXーDAYがくるという設定の映画、ドラマはなかった。

日本の借金、現在1000兆円。

年末ジャンボ宝くじの一等が、200万回当たらないと返せない。

とんでもない確率で、理論上はありえるかもしれないけど、可能性はほぼ完全に0%。

どう考えても意味がわからない。

野田前首相が、選挙前に「消費税を上げても、ザルに水を入れるようなもので意味がない。」と言っていたけど、当の本人が何もできず、消費税だけ上げた。

もうどうしようもないらしく、政治家の方、知識人、専門家の方、誰も何も言わなくなったし、むしろ借金を増やす方向にいっている。

たまにテレビやラジオでとりあげられると、偉い先生が出てきて「大丈夫。」と言う。

「日本の国債は、大部分日本人が持っているから大丈夫。」と言って、司会者が「ごもっとも。」ということで終わる。

でもそれって、「同じ日本人だから、返さなくていい。いざとなったら、踏み倒すか、紙屑にしてしまえばいい。」と言っているように聞こえるのは私だけなのかな?

その番組の司会者の人は、絶対にそれ以上突っ込まない。

あと、よくいるのが「日本政府は、資産がたくさんあるから大丈夫。」という意見の先生。

でも資産って何?公共施設や、公共用地、米国の国債のようなものかな?

資産を売って、債務を減らし、急場をしのぐということでしょうか?

公共施設や公共用地は税金で買ったもので、政府の失策で売却するのはかなり問題がある。

それにXーDAYがくるということになれば、公共施設や公共用地はバブル崩壊時に不動産価格が暴落したような状態になるはずだから、誰も買わない。

買うとすれば、外国のハゲタカファンドや、隣の国の政府だけど、いくら困っているとはいえ、売れないと思う。

それに、外貨準備の米ドルの放出やアメリカ国債の売却は、ドルも一緒に暴落するので、アメリカ政府が許すわけない。

結局売れないのなら、「資産がたくさんあるから大丈夫。」ということにはならないと思う。

そのことも、番組の司会者の人は、なぜか突っ込まない。

どう考えても大丈夫ではないし、いつかX-DAYがくるはずだと思っていました。

その辺のストレスを、X-DAYを真正面から取り扱ったこの映画を見て、少し解消できました。

小さな国なら、いくらでも助けてくれる国や組織があるけれど、世界最大の借金をかかえる日本を助けられる国や組織はないような気がする。

アメリカみたいに世界最大の軍事力を持ち、資源、エネルギー、食糧が豊富で、他国に頼らなくてもやっていける国なら、紙幣が紙屑になってもなんとかやっていける(最終的には、「文句があるならかかってこい!」で済む。)だろうと思う。

しかし、日本にはなにもなく、外国に頼りきって生きているのに、約束手形である紙幣が紙屑になったらとんでもないことになりそうです。

当然経済的にものすごいダメージを受けるのだろうし、食糧もなくなるかもしれない。

福島やその他の原発をちゃんと管理し続けることができるかどうかも不透明。

もしかしたら軍事的に他国の侵略をうけるかもしれない。

できれば、その辺の疑問に答えてくれるような、XーDAY後の世界も描いてほしかったです。

Push6700