「違いが分かる舞台と映画。」シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
違いが分かる舞台と映画。
シルクは観たことがない。だから比べようがない。分からない。
まぁでも、実際には手の届かないお高いショーがこうして
映画館で手軽に(歌舞伎上映とかねぇ)観られるのは嬉しい限り。
彼らのドキュメンタリーとかは観たことがあったので、
世界観はまぁ…きっとこうだろう、物語は…あって、ないだろうと
思っていたので、それほどの失望感はなかった。
ただ…やはり中盤は眠くなる箇所が多かったのは事実。
もしこれが舞台上で繰り広げられる人間技を超えるショーだったら、
きっと食い入るようにして観ると思う(だって圧倒されちゃうもんね)
いくら3Dでも、実際に目の前で観るのとは違って当たり前なのだ。
私は映画は大好きだが、舞台とはまるで違うものだと思っている。
舞台にはぜんぜん違う目的があるように思うのだ。
俳優や演技者がおそらくは演じる時の気合いの入れ方も違うはず。
なので…映画としての感想は難しい。
キレイでしたー!いや~すごかったです!人間業とは思えない!
くらいしかいえない^^;
一応物語はあるにはあるが、ない方に近い^^;
導入部はまぁ…あとはほぼ幻想の世界。まぁこれが凄いこと凄いこと。
でも…(コレを言っちゃあ、ですが)
冒頭の「O」という水がテーマのショーがかなり良いので、
3Dの臨場感にしても、これがピークだったかなぁ…という印象で、
あとはラストのミア(主人公)がショーに加わってパフォーマンスを
するところまで、なんかボ~っと観ている感じなのだ。
実際にショーをご覧になった方の感想を読んでも、あとは繋ぎ合せ。
といった感想が多いので、あ~やっぱりそうか、と納得至極。
確かに彼らは凄いパフォーマンスをやっているんだけれど、
そしてカメラは彼らを縦横無尽に追い、撮っているんだけれど、
それは明らかに「キレイ」の領域を超えてはいない。迫りくる迫力!!
ではないのだわ。残念ながら…。
でも仕方ないと思う。映画はやはり映画である。舞台とは違う。
舞台とは違うんだから、演出も違って然るべきなのだ。本当はねぇ。
難しい試みであると思うが、
とりあえず今作が観られたこと、シルクの世界を味わえたこと、
それを映画館で体験できたことは、映画ファンとして嬉しいことだ。
(凄いよね、命綱なしであの高さ。いや~素晴らしい!ミアを抱いて翔べ!)