劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロストのレビュー・感想・評価
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昔から記憶に残る名作
youtubeにて東映公式チャンネルで視聴。子どもの頃に観て以来。
TVドラマ版の舞台と一転、世界がオルフェノクに支配されつつあるディストピアが舞台。TV版と比べると非常に異質で、人間に紛れ込むオルフェノクの恐怖ではなく、周りがオルフェノクだらけという恐怖。人が溢れる都会の街でレジスタンスが襲われていても、周りは何事もなく過ごしている不気味さ。
一方人間サイドは廃墟のような居住区に追いやられていているわけで。そんな中挟まれる巧と真理の仮面舞踏会でのライトアップされるシーンは結構好き。
オリジナルのキャラも数名登場するが、意味ある配置がされていて、違和感がない。(ミナについては存在すら忘れていたが)
特に新ライダーのサイガ、オーガのデザインがスタイリッシュすぎる。vsサイガ戦は屈指の戦闘シーンだし、ウルフオルフェノクの衝撃、ブラスターフォームの強キャラ感も外せない。
「総評」
ライダー映画として異質、かつ名作。人とオルフェノクの共存というテーマ、巧と木場との対立など根幹は変わっていないだけに、人間とオルフェノクの立場が逆転した世界観が面白い。序盤は巧は記憶をなくしているし、キレイな巧が見られて新鮮。
ショッキングなシーンは多く、草加の死亡、海堂の捕食、オートバジンの破壊など子どもながらに怖い思いをしたのを覚えている。長田と海堂が死亡した直後、木場の絶望に打ちひしがれるシーンがお気に入り。
絶望的な状況から、魅力あるライダー同士が戦って勝利していくさまはグッとくるものがある。テレビ版を観ていなくても、これ一本でファイズが分かるような魅力的な作品になっている。
オルフェノクに支配された世界線
◯オルフェノクに支配された世界線
TV本編から分岐したIFストーリー
人間は滅亡寸前
◯帝王のベルト
サイガ、オーガの登場
どっちも違うかっこよさ
◯アクセルフォーム大活躍
連続クリムゾンスマッシュ
サイガとの戦いは必見
◯木場勇治の葛藤
本編同様に葛藤あり
◯ エラスモテリウムオルフェノク
史上最大のオルフェノク
もはや人間の面影無し
△グダグタスタントアクション
ライオトルーパーが何をしたいのか分からない
シーンが割とある。
真理が戦闘員としてマシンガンやバズーカを
使ってるのは流石に無理があるw
△人間側の新キャラいる?
ミナというオリキャラ登場。
エピソード自体は良いけど、
巧にファイズブラスターを渡す役割だけであり、
後半のストーリーの伏線になることもない。
(事実、役割果たした瞬間殺される)
△カイザ(草加)がかませ犬
オルフェノク相手には無双するが、
サイガにあっけなく敗北。
本編を煮詰めた感じ。
前提として
・『仮面ライダー555」本編は全話視聴済。
・ある程度ネタバレ済。
・田崎竜太監督の他作品は"仮面ライダー"系統を大体視聴済。
本編の要素を煮詰めて煮詰めて、そこにファンサをトッピングした感じ。
まずは世界観。本編とは真逆なだけあって、一般民の反応が何もかも異質。初っ端から異常さは感じられる。すでにホラー。
それと、近未来テクノロジー的な描写も違和感が無かった。2023年でも違和感が無いってかなりすごい。
そして何よりもウルフオルフェノク。出すタイミングがめちゃくちゃうまい。本編前って言うのもそうだし、この作品内では木場さんの感情を揺さぶる起爆剤としても素晴らしい。
一番長く人間とオルフェノクの間で戦ってきたキャラクターが、視聴者が一番見てきた主人公だったなんて……めちゃくちゃアツいじゃないか。
この『~555』という作品の魅力は、やっぱりキャラクターにあると思う。
まずはたっくん。基本は変わらないものの、救世主としての役割が付与されている。ぶっきらぼうな救世主だ。
真理も相変わらず。やっぱりたっくんと真理は兄妹に見える。
草加は意外と見せ場が少ない。ただ、世界観が変わるとみんなへの接し方もこう変わるのか……という面白さがある。そこは見もの。
啓太郎はまさかの変身。アクションがたっくんリスペクトなのが愛おしい。
海堂と結花はまさかの死別カップルエンド。本編とは違うルートをたどったものの、違和感がない。なんなら本編の方に違和感が残るレベル。散っていく結花は美しい……。
そして木場さん。彼の慟哭が観れる。もう、これだけで観に来た価値あるよ、本当に。木場さんが悩み苦しみ決断する様子が僕は好きなんだ……!そこからオーガに変身、たっくんの全てを知って、揺らぐ……もう完璧。
たっくんと木場さんのバトルはクライマックスになるのが当然。何よりもこれが観たかった。
逆に序盤のミナというキャラクター、彼女だけがどうも蛇足に感じてしまった。恋愛感情とかそういうのを映したかったのだろうけど、舞台装置にしか見えなかった。記憶操作云々も別に無くてもよくね……?
アクション面もみんなかっこよかった。特にたっくんファイズ。各フォームの魅力を余すことなく魅せてくれる。本編以上にかっこよくない???
強いて言えばブラスターギアが一瞬でも使えない理由付けが欲しかったところか……
あとオルフェノクもかっこいい。なんだ激情態って。本編でも出してくれよ!あとコブラの激情態も観せてくれよ!!
地味に名言も多い。本編より圧倒的に名言が多い。そりゃあ、劇場版好きになる人も多いわ。
終わり方も良いんだ。巧と真理という組み合わせもいい。人間とオルフェノクの架け橋。
本編観なくても、『555』ファンでも楽しめる。これはデカい。
『~555』の魅力をめちゃ濃く味わえる。そんな作品。
他者と分かり合うこと
通常スクリーンで鑑賞。
テレビシリーズはリアルタイムで視聴済み。
テレビシリーズとの繋がりは全く無く、パラレルワールドで展開された「もうひとつのファイズ」と呼ぶべき劇場版。
人類は劣勢に立たされ、滅亡一歩手前のところまで追い詰められていました。テレビシリーズではオルフェノクがマイノリティーなので、立場が逆転しているのが面白いところ。
その設定に幼いながら衝撃を受けると同時に、ここからいったいどうやって逆転していくのだろうかと、それこそ手に汗握りながら鑑賞していたことを覚えています。
大人になって観ると、「他者を理解することの難しさ」や、マジョリティーとマイノリティーを巡る濃密なドラマが展開され、今も色褪せないテーマを描いていたんだな、と…
人種差別を巡る問題は未だに根深いものがありますが、人同士は分かり合うことが出来るはずと描いている本作が、これからも多くの子供たちに届いて欲しいなと思いました。
[余談]
母親と観に行きました。良き想い出です。
[以降の鑑賞記録]
2004/01/21:DVD
2005/? ?/? ?:DVD
2021/03/26:DVD
2022/12/12:Amazon Prime Video(ディレクターズ・カット版)
2023/10/14:DVD
※修正(2024/02/02)
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