「職人の片鱗」人間模様 こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
職人の片鱗
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簡単に言えば四角関係。
李香蘭の名で活躍した山口淑子が出演しています。
おそらくは当時しゃれた作品を撮る人と認識されていたのではないだろうか。
今みても面白いのだ。特にアラサー、アラフォー。楽しく観られると思う。
登場人物が上原謙演じる社会性のない聖人君子、そしてその友人、今で言えばIT社長。聖人君子の幼馴染の良家のお嬢様とIT社長の秘書で大陸帰りのOL。
この4人が案外素直に入り組むのですが少々少女漫画テイストな匂いをさせつつ楽しい。
お嬢様は良家の子女という観点からはずいぶん墜ちてしまうがその後大丈夫なのだろうか。
お嬢様とOLの生き方の対比が面白い。
市川崑は女性がうまいと思う。
それは女が観てナチュラルというか、隣にいそうな、友達になれるタイプの女性像を描くという意味で。男性が観て魅力的に思うかどうかはわからない。
私は勝手に自分の中で、強烈な作家性でなく製作側の意図をうまく汲む職人的な監督だと思っている。
激しい外れのないいい意味での言葉だ。それでも持ち味の時折センスを感じさせるカット割りやドロドロに走らない都会的な感覚。出てます。
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