大島情話

劇場公開日:

解説

企画は「ぜったい愛して」「幸福の限界」の清水龍之介。往年日活映画の「ひばりの佐渡情話」と同じ傾向の浪曲映画で「春爛漫狸祭」「幸福の限界」の木村恵吾が萩原四朗の原作から脚色し演出に当たる。撮影は「幸福の限界」の竹村康和の担当、なお浪曲と主題歌作詞は原作者萩原四朗の作で浪曲の寿々木米若と小唄の勝太郎は劇中人物として登場する。出演者は「狙われた女」「千姫御殿(1948)」「黒雲街道」の花柳小菊、「好色五人女」の坂東好太郎「千姫御殿(1948)」の月形龍之介「七つの顔」の月宮乙女の他小堀誠、東良之助、上田吉二郎である。

1948年製作/67分/日本
配給:大映・京都
劇場公開日:1948年12月20日

ストーリー

大島、波浮の港--小料理屋「みなとや」のお志津は三年前旅の女役者と家出した亭主島蔵の帰りを待ちながら島蔵の親爺久兵衛と寂しく暮らしている。港には秋祭りを目当てにする商人やら芸人達を乗せた小船がつぎつぎと入って来る。芸人達の中には都から来た浪曲師米若や小唄師匠の勝太郎の顔も見える。又静岡の在からいつも呉服の行商にやって来る嘉之吉もやって来た。お志津は嘉之吉と顔を合わせると寂しい心に元気が出てくる。嘉之吉とても同じ事で今度はお志津へ土産の着物を持って来た。その着物を着たお志津の姿は嘉之吉の眼には死んだ女房お絹のように見える。勝太郎の歌う大島節の唄声が流れて祭のよいはにぎやかに更けて行く。八幡宮の境内、土産の着物を着たお志津を嘉之吉はお絹の幻想に捕らわれながら後を追う、そして死んだ女房に生き写しでどうしても思い切れないと嘉之吉は心のうちをお志津に打明けるお志津にしても嘉之吉がきらいではなかったが島蔵の女房である事がお志津の自由を縛った。その悩みの種島蔵が祭りの済んだ夜帰って来た。二人で一緒に逃げようとお志津に頼んだ嘉之吉は船待所でお志津を待っている。酒の勢いで島蔵は嘉之吉とお志津のうわさを種にお志津の不貞をなじり刀で追いかけ回す、お志津の心は決まった。私を待っていてくれるのは嘉之吉さん一人だ。久兵衛に送られてお志津は船待所に急いだ。その後姿を見送る島蔵は「おれにゃあ過ぎた女房だ、ほれた男に添わしてやりてえとうまく仕組んだ狂言だ」とつぶやいた。

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