劇場公開日 1959年11月11日

密会(1959)のレビュー・感想・評価

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4.0なし

2025年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

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完成したばかりの「ゆいの森あらかわ」へ出かけた。
図書館を中心とした複合施設である。

さて、「吉村昭記念文学館」が今回の目的である。
マスターは吉村作品はその精緻さに感心して高校時代から読んでいた。
就職後、荒川区と縁があり、吉村氏の育った日暮里界隈は行動範囲となり
ますます吉村作品を読むようになった。
そのため私もこの文学館の会員となっている。

今回は、その吉村氏の映像化作品を館内で上映するというので出かけてみた。
館内に12名分の椅子席が用意されている一角がある。
そこでDVDをプロジェクター上映する。
マスターの訪問した日は「密会」の上映日だった。
ポスターが飾られている。

本題に戻る。
本作は吉村氏が「初めて原稿料をもらった」小説で
週刊誌掲載後わずか一年の映画化である。
監督は中平康。

製作スタッフは「あいつと私」とほぼ同じ。

上映開始前に全席満員。

上映開始。(入場無料)
冒頭から大学教授の若い妻と、夫の教え子の大学生のラブシーン。
二人とも着衣だが、手や顔の動きは十分ねっとりとしている。これが結構長い。
夫役の宮口精二が出てくると「あら懐かしい。おなじみの顔」と
独り言をいった観客がいた。
何しろ57年前の映画である。
白黒画面の光彩処理や、季節の変化、野良犬の行動を絡ませる
画面作りはなくかしさも感じさせる。

この手の話は中盤は凡庸な描写とならざるを得ないが
ラスト近くの駅のシーンのカメラワークは意外性を感じてよかった。

しかし当時はいくら正義漢でも警察官も駅員も帯同せずに
ああいう行動をとるコンセサンスがあったのだろうか。
亡母がこの映画を見ていたら「最後はクダラン。お笑いものだ。」
といったかもしれない。

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