夜霧の滑走路
劇場公開日:1958年7月27日
解説
三船浩のヒット・メロディを素材にした、二世のスチュアデスの悲恋物語。脚本は下飯坂菊馬に「かあちゃんは犯人じゃない」の天野妙子、監督は「白いジープのパトロール」の竹谷豊一郎、撮影は「南氏大いに惑う」の秋野友宏。「恋を掏った女」の石井竜一・金田一敦子、それに市川和子・北原義郎・若松和子らが出演。
1958年製作/58分/日本
劇場公開日:1958年7月27日
ストーリー
羽田空港に三島隆二が降りたった。彼は楽団シルバースターのリーダーで、ピアニストだ。アメリカを廻ってきたのだ。楽団のマネージャーをしている彼の姉・マリや新井英介らが迎えにきていた。隆二は二世のスチュワデス・美沙子を連れていた。彼女は幼い頃アメリカの一世の養女になったが、日本の肉親たちを探そうと、やってきたのだ。翌日、隆二は彼女を案内し、家族探しに出かけた。手がかりは写真一枚。山の滝の前で一家が写っている。それと似た滝のある山へきたが、徒労だった。天候が急変し、美沙子は雨にぬれて発熱した。マリたちは行方不明の彼を探していた。英介の経営するジャズ喫茶の舞台が待っていた。英介妹・洋子は彼が好きだった。彼が美沙子と出て行ったことを知ると、酒におぼれる。彼は美沙子を看病していた。マリは彼を見つけだすと、美沙子を無視して彼をののしった。舞台を終えると、彼はすぐ美沙子の許へ帰った。その夜、二人は結ばれた。それからは隆二は演奏の間には必ず美沙子に会った。マリは英介に美沙子が身をひくよう頼んでくれといった。美沙子はひかなかった。しかし、その時、例の写真から、英介は彼女の兄であることが判った。隆二との関西旅行を中止して、一緒に英介の家を訪ねたとき、美沙子は妹洋子と会った。洋子は姉のために身を引く決心をした。が、同時に、美沙子が洋子のためにそうしようと決心したのを誰が知ろう。隆二が舞台に出ている間に、彼女はアメリカ行きの飛行機に乗った。洋子のことを頼みますと書き置きして。隆二は彼女を追って空港へ行った。そのとき、飛行機は夜霧の滑走路を飛びたった。美沙子の心に思い出だけが残った。