「重厚な「張り込み」を撮った後に、結構C調な喜劇をこなす野村芳太郎」モダン道中 その恋待ったなし ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚な「張り込み」を撮った後に、結構C調な喜劇をこなす野村芳太郎
懸賞で三万円もらった、平の銀行員の佐田啓二が、北海道まで列車で旅行に行きながら道中で知り合った自動車整備士の高橋貞二と恋の珍道中を繰り広げる。
10日以上かけて福島や青森や北海道各地を巡る観光映画の側面が強いが、当時の風景がとにかく見所。
バラエティみたいな舞台セットや変なナレーションを多様して笑わせるところも楽しめるが、驚くのは、野生の海鳥が多数いる島で無茶なロケしてるなど、今ならクレーム物の箇所もある。
あの重厚な「張り込み」を取った後に、結構C調な喜劇を職人的にこなす野村芳太郎監督。尊敬します。
そういえば、上野から青森までの鉄道料金が3等旅客席で、三千円強ぐらいと台詞にあったが、劇中での平の銀行員の給料か1万8千円と台詞あったので、やはり旅行は、庶民には高嶺の華だったのか。
旅館の瓶ビールが1本180円もいい値段
結構なロケ予算が掛かっていると思う作品だけど、90分しかないからか?雑なカットで話が進むのも微笑ましい。しかもラストのオチはヘン。
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