葵秘帖

劇場公開日:

解説

角田喜久雄の『変化如来』より、「千両獅子」の結束信二が脚色、「神変麝香猫」の小沢茂弘が監督、「千両獅子」の伊藤武夫が撮影した時代劇。「千両獅子」の市川右太衛門、東映初出演の新珠三千代、「江戸の花笠」の尾上鯉之助に、花柳小菊、丘さとみ、伏見扇太郎、徳大寺伸、山形勲などが出演する。

1958年製作/94分/日本
劇場公開日:1958年3月25日

ストーリー

水戸家に代々伝わる家憲書葵秘帖の秘密を、老中阿部伊勢守が知り、水戸家をつぶそうと計った。秘帖には勤皇の志が記されてあるが、海送問屋水野屋灘右衛門の手に渡り、そのまま行方が判らなかった。唯一の手がかりは将棋図巧という本の中にあるという。水戸方も老中方もそれと関係ある詰将棋図の半片を持っていた。将軍家にある将棋図巧をかけて、双方の代表がお城将棋を指すことになった。浪人峠魚太郎は水戸家に呼ばれ、すべてを話され、秘帖を探すことを頼まれた。彼の友人菅井左近はお城将棋に老中方として出場する。彼は魚太郎に遺書を預けに来た。何かにおびえているふうだ。魚太郎は隣家の女目明しお島らの助力で方々を探り始めた。左近は勝負に勝ち、図巧を持って帰る途中、何者かに襲われ、死んだ。その場所は仏千寺という、近頃如来像を集めているので評判の寺の近くだった。秘帖は如来像の首のところに隠してあるというが、--魚太郎は仏千寺の慈元和尚を見張らせた。左近の遺書からは老中方の持っていた将棋図の半片が出てきた。それと水戸家の半片とを合せて、魚太郎は必死にその謎を解こうとした。彼に助けられた阿片中毒の娘お園が、それを奪おうとした。彼は仏千寺が元水野屋の一党の巣であり、善男善女を阿片で誘惑し、如来像を集めているのを知った。左近の妻浅世も何故かその寺へ通っていた。左近がおびえていたのは“呪いの面”という怪物で、魚太郎はその腕に手裏剣を見舞うことができた。魚太郎は秘帖の謎を解いた。図巧の裏表紙にすかしで江戸地図が描かれてい、それと詰将棋図と重ねたのだ。その頃、仏千寺の連中も謎を解いていた。お園の父の将棋師を連れ去り、阿片で正気を失わせ、手がかりを握ったのだ。魚太郎は仏千寺に乗り込み、慈元や、彼と結ぶ老中の手先戒田らを追いつめるが、しかけで床下へ落ちた。そこへ、浅世が現れ、彼をかきくどく。魚太郎は彼女が“呪いの面”その人であり、水野屋の息女だと知っていた。彼女は父のためと慈元らに阿片であやつられ、左近の妻となり詰将棋図を狙ったのだ。戒田は水野一党の首領慈元を殺すと、浅世をさらって、如来像のありかの、佃島にある廃船「水野屋丸」へ向った。駈けつけた魚太郎との間に撃ち合いが始る。魚太郎が危くなったとき、浅世が戒田の腕に取りすがる。戒田は死んだが、浅世も魚太郎の腕でこと切れた。魚太郎は家憲書を水戸家へ首尾よく渡すことができたのである。

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