黄金の伏魔殿

劇場公開日:

解説

吉川英治の『有明無明』から「魔の紅蜥蜴」の加藤泰が脚色、「水戸黄門(1957)」の佐々木康が監督、「仇討崇禅寺馬場」の伊藤武夫が撮影した。主演は「水戸黄門(1957)」の市川右太衛門が「父子鷹」以来久々に北大路欣也と親子共演するほか、「水戸黄門(1957)」の長谷川裕見子、大河内傳次郎、「素浪人忠弥」の三浦光子、「阿波おどり 鳴門の海賊」の丘さとみ。ほかに坂東簑助、原健策、加賀邦男、阿部九洲男、徳大寺伸、字佐美諄、吉田義夫など。

1957年製作/91分/日本
原題または英題:Mysterious Golden Tower
劇場公開日:1957年9月8日

ストーリー

天保十四年初夏、江戸の両替商佐渡屋に強盗が入り、主人を殺し大量の千両箱を奪って去った。賊は和歌の下の句を彫った煙管を残したが、これの対の煙管を持つ勘定勝手方北条貢に嫌疑がかかり、目付権堂弥十郎の手引で、嫌疑を晴らすため江戸を脱走する。途中、腕に朱銭の刺青のある剣客に弥十郎は刺殺され、その子九馬之亟に親の仇と疑われ、狙われる身となった。妻の鶴江を残して娘菊乃と二人で越中に下る貢は、江戸の目明し亥之吉につけ狙われたり、代官所役人に追われて、勘定組頭小梨半兵衛に危難を救われたりしながら、越後国橋立鉱山に半兵衛と共に、採掘人となってまぎれこんだ。そこには勝手方藤懸左平太実は江戸市中を騒している朱墨子組一味も集結していた。貢ら二人は鉱山の洞窟深くに設けられた、小判改鋳場の金蔵に忍込んで、江戸各地で盗み出された小判を探し出した時、左平太一味に襲れて半兵衛は貢をかばって死んだ。貢は証拠の小判を持って一路江戸に向う途中、街道筋で九馬之亟や鶴江母子に巡りあったのも束の間、江戸に急がねばならなかった。舞台は江戸に移り、北条貢の出現に屋敷町は緊張した。その眼をくぐり、大目付神尾山城守の邸に忍び入り、証拠の小判と一通の建白書を差し出した。それには勘定奉行金座御金改役らの曲事が記されてあった。鶴江母子は左平太一味に捕えられ、谷中天王寺で処刑されるというその日、五重塔の一隅から二人の命を救けようと群る敵の中に躍り出たのは貢であった。--証拠の品は建白書と共に大目付の手許まで届けられ、かくて朱墨子組の悪事露見、貢は青天白日の身となった。

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