修羅時鳥

劇場公開日:

解説

吉川英治原作の“修羅時鳥”の映画化。時代活劇篇。脚色は「孫悟空」の棚田吾郎、監督は「獅子丸一平」の萩原遼、撮影も同じく吉田貞次が担当する。主な出演者は「大江戸喧嘩纏」の大川橋蔵、「旗本退屈男 謎の紅蓮塔」の田代百合子、月形龍之介、渡辺篤、「任侠清水港」の加賀邦男、ほかに徳大寺伸、清川荘司、星十郎、宝塚よりの新人松風利栄子など。

1957年製作/85分/日本
劇場公開日:1957年2月5日

ストーリー

山峡の街道。大津絵の門兵衛と浪人阿波次郎は旅の老人の懐を狙い跡をつけていたが、老人は不意に飛出した深編笠の浪人者に斬られた。門兵衛と次郎は切歯扼腕したが、断末魔の老人が因州志戸坂の長者、銀荘左衛門と聞くや、頼みを聞いて老人の遺品を持ち志戸坂へ向う。志戸坂の銀家で二人は銀家の秘密を聞いた。二十四年前、荘左衛門は女中に一子を儲けたが、本妻が怒って女中を殺したため子供を乳母につけて邸から逃した。そのとき後日の証拠にと淀君御用で有名な時鳥の蒔絵の桃山櫛を渡した。その後、荘左衛門は成長した一子荘太郎が江戸にいると聞き財産を渡すべく旅に出たが、それが今度の危難に逢ったという次第。一方、因州田丸藩本多家の江戸屋敷では当主亀之助が腰元衣江に狂乱の態で迫っていた。衣江は二年前、本多家家老犬山の腹臣戸狩弾十郎に殺された父の仇を狙っていた。しかも彼女は荘太郎とは許婚。荘太郎に操を立て亀之助に抗ったため座敷牢に押込められた。しかし運よく荘太郎に救われ、二人は衣江の亡父の親友で旗本の渋川十蔵の家に身を寄せた。ところがそのとき荘太郎は衣江に預けた時鳥の櫛が失われたと知り呆然とした。他方、江戸へ出た門兵衛と次郎は、荘左衛門を殺した弾十郎に会ったが逆に凄まれ彼の子分となった。その三人は道傍に時鳥の櫛を見つけたがスリの伊佐吉に奪われた。衣江は櫛を探しに町に出て再び本多家の者に見つかり邸へ連れ戻された。それを衣江の幼馴染、お梶が見た。お梶の注進で荘太郎は本多家へ乗込むが、家老の犬山は剣もホロロ。お梶は顔見知りの伊佐吉から櫛を貰って驚きつつも、それを持って渋川邸へ向ったが再び弾十郎に奪われた。そうした中で、犬山は弾十郎から銀家の秘密を聞き、財産を横領しようと、衣江を連れて因州へ向う。荘太郎も後を追ったが途中、犬山一味に捕った。しかし処刑の寸前、老中から田丸藩査察の命をうけた渋川十蔵が乗込み、刃向う犬山は、荘太郎の剣に倒れた。荘太郎は財産を里人に分け与え、衣江とともに江戸へ向った。

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