かんかん虫は唄う

劇場公開日:

解説

吉川英治の小説を「踊り子行状記」の犬塚稔が吉田哲郎と共同で脚色、「月を斬る影法師」の三隅研次が監督する。撮影は「七つの顔の銀次」の竹村康和、音楽は「踊り子行状記」の大久保徳二郎の担当。主演者は「踊り子行状記」の勝新太郎、「講道館四天王」の峰幸子、「藤十郎の恋」の三田登喜子、橘公子、「銭形平次捕物控 どくろ駕籠」の入江たか子などである。

1955年製作/76分/日本
劇場公開日:1955年8月31日

ストーリー

ヨコハマの波止場で、汽船の錆落しを仕事するカンカン虫たちの中に、トムと呼ばれる少年清水富彦がいた。折しも、彼が仕事をする笹戸丸の船上では、一騒ぎが持上った。石炭成金高瀬商会の槙子夫人の腕環が扮失したと云い掛りをつけられて、愛生園の岡田先生が拘引されたのである。トムは、目撃者として、無実の岡田先生を救うべく立ち上った。トムの母桐枝の病は重く、枕辺に彼を呼び寄せ、今まで知らせなかったが、トムたちの父は休暇で今横浜に滞在する駐英大使千坂仙之助であると告げた。トムは単身ホテルに彼を訪ねたが、何故か母に会ってくれと云えず、反って千坂が高瀬の新事業の有力な後援者であると知って、高瀬との関係を断ってくれと頼んだ。しかしトムは、高瀬の金にあかしての策略のため相手にされず、遂に警察の手に引渡されたが、留置場を脱出してお光の家に身を潜めた。漸く腕環問題を悟った刑事は高瀬邸を訪れたが、激怒する高瀬に逆に詰め寄られた。ところがその時、親に似ぬ清純な高瀬の娘奈都子が、腕環を父の部屋で見たと重大な証言をした。高瀬は俄然本性を現わし、ピストルを擬して刑事に迫った。その時、トムたちも邸内に飛び込んで来て大乱闘となったが、遂にトムたちが勝った。岡田先生は自由の身となった。晴れた空の下、また元気にハンマーを握るトムは、今は亡き母から臨終の際に渡された父子のあかしである腕環も海中に投げ捨てた。

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