妙法院勘八
劇場公開日:1955年4月5日
解説
村上浪六の原作を「青春怪談(1955 阿部豊)」の館岡謙之助が脚色し、「地獄の花束」の芦原正が監督に当り、「酔いどれ囃子」の竹野治夫が撮影に当る。出演者は「酔いどれ囃子」の北上彌太郎、近衛十四郎、「あなたと共に」の紙京子「神州天馬峡」の小園蓉子、「喧嘩奴」の若杉英二のほか千秋みつる、高野真二、西田智、諸角啓二郎、市川小太夫、北竜二等。
1955年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1955年4月5日
ストーリー
元禄十六年、赤穂義士が切腹に処せられた頃、日本橋に立てられた高札の一条「忠孝を励むべき事」がぬり消された。南町奉行丹羽遠江守は旗本神祇組の頭領菅野佐源太に探索を命じ、また犯人が町奴の風態をしていたので町奴神田の作兵衛に調査を頼んだ。作兵衛は鉄火肌の妹小夜、子分の小天狗の喜太郎、島の長蔵等と容疑を晴らす為に犯人を探し出す事を誓い合った。神祇組と町奴は常に対立し、高札犯人らしい浪人に喧嘩の仲裁をされたこともあった。この浪人は京都妙法院門跡の法親王に仕える山田勘解由の一子勘八で、江戸の豪商徳田屋惣七の許におり、幕府の理不尽な行為に反抗していた。勘八に心を寄せる惣七の娘菖蒲は彼の身を気づかった。一方佐源太は菖蒲に恋慕し、恩を着せて菖蒲を手に入れようとしていた。勘八を尋ねた作兵衛は彼の理ある言葉と態度に心を打たれ、二人の間に強い友情が結ばれた。神祇組が徳田屋を荒したのを小夜と喜太郎が止めた事から対立は悪化し、作兵衛は神祇組に斬られ勘八に小夜の事を頼んで息絶えた。子分をなだめて勘八は奉行所に訴えたが却下され、法親王直筆の手形を取りに京都へ向った。長蔵は単身菅原邸へ乗り込んだが帰らなかった。江戸へ帰った勘八を捕えた丹羽は彼の素性に驚いた。町奴は惣七を縛り菖蒲をさらった神祇組に腹を立て斬り込み、乱闘となったが、勘八の活躍でおさまった。喜太郎はかねて想っていた小夜と結ばれ、勘八は法親王の情で徳田屋に閉門となった。