「本当にあった「アナタハン島の女王事件」」アナタハン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
本当にあった「アナタハン島の女王事件」
ハリウッドで映画化されてヒットしたが日本では当たらなかった、とフライヤーに書いてあるがそうだろうなあと思った。92分だけれど間延びしていた。アナタハン島に流れ着いた者は日本語で話しているがそれにかぶせて英語のナレーションが入る。その英語ナレーションが全知の語り手なので、孤島に残った日本人がまるで実験動物で上からの目線で俯瞰しているような物言いで何だか不自然で不快だった。それに登場人物の心、言葉、行動の動機といったものに関心が払われていなかった。7年も絶海の孤島に居た割には皆こぎれいだった。ケイコを巡って男達は確かに複数死んだが、元はピストルを所持した者が力を持ったという流れだ。ケイコが君臨していた訳ではない。ピストルで撃たれたら殺される。ケイコは生命力に溢れ生きたかった。だから、男達だけは日本が戦争に負けたことを最後まで信じず米軍機が撒いたチラシも信じなかったがケイコは信じた。そして残った男達を日本に家族に戻したのはケイコ=女王蜂の力だった。
おまけ
今もよく知られている(私も好きな)沖縄のつんだら節を島で皆が三線弾きつつ歌い踊る場面は好きだ。沖縄出身の人が多かったんだろうと思った。伊福部昭の音楽目当てだったので少し残念だったけれど。
コメントする