素敵な野郎
劇場公開日:1960年6月15日
解説
「女の坂」の新藤兼人に、勝目貴久が加わった脚本を、「暁の翼」の富本壮吉が監督したマドロスもの。撮影も同じく「暁の翼」の高橋通夫。
1960年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年6月15日
ストーリー
貸物船新栄丸は二カ月ぶりに横浜に入港した。矢島五郎とボースン谷口は、久しぶりに横浜の土をふんだ。その頃、沖仲仕のボスでありキャバレー“シオン”の主人である富岡は、五郎の親友清原俊夫を痛めつけていた。上陸早々五郎は清原の死体を見て驚いた。清原の姉由美は五郎の恋人だった。由美と、彼女の同僚で清原俊夫の恋人である花技は、現に現場にあったナイフが五郎のものだったことから、彼をうたがった。警察の手も五郎にのびた。しかし彼は谷口の証言でアリバイが成立し、釈放された。富岡は五郎が自分の悪事に気づいているのを知った。彼は花枝に乱暴を働いた。海に身を投げた彼女は五郎に助けられた。花枝は、俊夫が富岡に殺されたのは、彼が富岡の悪事を知ったためであると話した。夜更け、由美を訪ねた五郎は、実は富岡は自分の父の仇であると話すのだった。--富岡、実は本名吉岡は富岡の父と戦時中同じ輸送船に乗りくんでいた。富岡の過失でその船がフィリピン沖で沈み、五郎一家は国賊とののしられた。五郎の父は船長だったので責任を負って自殺したのであった。その後も富岡は平気で悪事を働いていたのである。五郎は静岡県に住む昔の事件の事情を知る人に証言を求めに出かけた。その証言からも、富岡が総ての張本人であることは明らかだった。五郎は富岡をつけ廻した。その五郎の後を警察がつけていた。一方由美は、体を張って富岡から真実をひき出そうとしていた。由美が危機におちた時、五郎が富岡のもとにのりこんだ。富岡一味は五郎をとり囲んだ。その時、花枝の報せによって警官隊が富岡逮捕にかけつけた。富岡は縛につき五郎と由美は抱き合った。