牙狼之介のレビュー・感想・評価
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牙狼之介は夏八木勲
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五社英雄監督1966年の作品。
ふらり立ち寄った宿場町。
やくざ一家が幅を利かす。
盲目の女主人に助太刀。
浪人・牙狼之介の剣が抜く!
話自体は『用心棒』の亜流。ライバル用心棒との決着も。
『用心棒』以降確立された“西部劇スタイル”。厳密には、マカロニ・ウエスタン調。
荒廃した風景。大金を積んだ馬車を巡る攻防。
ダーティな主人公、ニヒルなライバル、一癖二癖、決して善人ばかりではない登場人物たち。
金と欲と因縁交錯する人間模様。
尺は70分ちょっとと短いが、その分面白味と娯楽性を濃縮。
効果音やダイナミックな殺陣で時代劇に新風を吹き込んだ五社監督の手腕は本作でも存分に。
『用心棒』はヒーロー主人公の活躍がメインだが、本作は男と女の愛憎も。
狼之介、盲目の女主人、ライバル用心棒。
狼之介は女主人に惚れる。女主人も。
が、ライバル用心棒と女主人は元夫婦。
狼之介対ライバル用心棒。
決着付き、すがる女の想いを背に、狼之介は何処へ去っていく…。
亡き名優、夏八木勲の初主演映画。
当時はまだ無名の新人。製作側が全く新しい主人公像を探していた時、ボサボサ頭、無精髭、薄汚れた格好のこの無名の新人を大抜擢。劇中の狼之介の風貌は夏八木氏のまんまだとか。
製作側が求めたこれぞの人材。夏八木氏もこのチャンスを逃さず。
剣の腕が立ち、人情に厚い。ダーティなアウトローだが、人間味たっぷり。
快活な熱演と身体を張ったアクションで、夏八木氏のキャリアはここから花開いた。
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