劇場公開日 1966年9月15日

横堀川のレビュー・感想・評価

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3.0山口崇さんを偲んで

2025年4月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

癒される

俳優の山口崇さん
2025年4月18日に肺がんのため入居していた東京都内の高齢者施設にて88歳で他界
山口崇さんといえば自分としては加藤剛主演のTBS時代劇『大岡越前』で演じていた徳川吉宗

1966年公開作品

原作は『女の勲章』『女系家族』『白い巨塔(1966)』『不毛地帯』『沈まぬ太陽』の山崎豊子
監督は『君の名は』『眼の壁』の大庭秀雄
脚本は『父ありき』『君の名は』『坊っちゃん(1966)』の柳井隆雄

粗筋
昆布商の娘多加が呉服問屋に嫁入り
しかし夫は遊び人
仕事が面白いと思ったことがない
株に手を出し大失敗
店を売らなければいけない始末
夫が寄席が好きということで寄席小屋を経営することになった多加
繁盛するが遊び人の夫の金遣いの荒さは変わらず

茂木草介が山崎豊子の『花のれん』『暖簾』『ぼんち』の三作品を脚本として一つに纏め66年から67年まで約1年間NHKで放送された連続テレビドラマの劇場版
TVドラマでは多加に南田洋子で吾平には長門裕之という夫婦共演
ちなみに子役として内藤剛志や佐藤蛾次郎が出演していた

大阪船場を舞台にしたオール関西俳優による関西弁のノリが売り
日生球場の近鉄ファンのような進学や転勤で引っ越してきた他地域の人たちが恐怖するような関西弁とちゃう
しかし松竹ということもあってか主演多加役は東京生まれ東京育ちの倍賞千恵子

寄席を始める件は吉本興業創業者がモデル

真夏に冷やし飴を美味そうにグビグビ飲む浪花千栄子のリアルな芝居好き

配役
昆布商浪花屋の一人娘の多加に倍賞千恵子
浪花屋の丁稚奉公から働きを認められ暖簾分けをしてもらえるようになった八田吾平に山口崇
浪花屋の主人の利兵衛に二代目中村鴈治郎
呉服問屋河島屋の跡取りで多加の夫になる吉三郎に二代目中村扇雀
利兵衛の遠縁の娘で吾平の妻になる千代に香山美子
吉三郎の友人の寄席芸人ガマ口に小沢昭一
女中の梅に柴田美保子
高利貸しのきんに浪花千栄子
吾平の先輩丁稚の太吉に立原博
多加の兄の利一に小島秀哉
利一の妻の志野に亀井光代
番頭の米助に高田次郎
市会議員の伊藤に田村高廣
医者に吉田義夫
吉太に明石潮
織京に若宮大祐
清助に石浜裕次郎
稲垣美穂子
長内美那子
佐々木孝丸
五代目笑福亭松鶴

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野川新栄

3.0金は貯めるもんか、つかうもんか。どっちがほんまですやろかいな。

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

こういう大店のダメ若旦那は、大阪商人のデフォルトなんだろうかと思わせるものがある。文楽なんかだと、ほぼどの作品にもあかんたれのぼんぼんがでてきて、じれったくなる。実生活でそんな奴おるんか?って言いたくなるけど、ちょっとはいるんだろうなあ。ちょっとくらいならいいけど、こんなんばっかりやったら町の経済は回るんかいなって気が揉める。
ま、そんな心配はどうでもいいです。そういう若旦さんには、多加のようなしっかり者の嫁さんが来ることになってる。そしてそんな苦労人のことは必ず誰かが手を貸してくれる。倍賞千恵子、愚痴も言わず、亭主の遊びにも懐深く、しっかり頼りになる細腕繁盛記だな。

松鶴(4代目?)が、得意ネタ「天王寺詣り」を質草したって話は面白い。事実なのだかどうなのだか。

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栗太郎

5.0本作を通じて上方演芸の歴史と萌芽の知見を得れるのも良いですね。

2022年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

泣ける

楽しい

幸せ

神保町シアターさんでの特集企画『生誕百年記念 小説家・山崎豊子 華麗なる映画たち』も2週目。本日は『不毛地帯』(1976)、『横堀川』(1966)の2本を鑑賞。

『横堀川』(1966)
それぞれ映画化された山崎豊子氏原作の『暖簾』(1958)『花のれん』(1959)『ぼんち』(1960)で描かれた大阪船場を舞台にした商人の人情悲喜劇の持ち味を一つの作品に紡いだ細腕繁盛記作品。中でも寄席小屋の経営で奮闘した吉本興業の創業者・吉本せい氏のモデルにした『花のれん』を下地にしてましたね。
主演は倍賞千恵子氏。『男はつらいよ』のさくら役同様にイメージ通りに明るく快活で淑やか演じてます。
放蕩三昧の旦那役は二代目中村鴈治郎氏のご子息、中村玉緒氏のご令兄でもある二代目中村扇雀氏が、これまた女と金にだらしない旦那を実に愛敬よく演じてますね。
意地なのか、甲斐性なのか、ここまで旦那に添い遂げようとする主人公の気持ちは分りかねますが、本作を通じて上方演芸の歴史と萌芽の知見を得れるのも良いですね。

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矢萩久登

4.0NHKドラマの映画化

2016年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

山崎豊子原作となっているが、NHKドラマを書いた茂木草介版を映画にしたらしい。
主人公は「花のれん」と同じで、倍賞千恵子が初々しく演じている。
頼りない若旦那のもとに嫁いだこいさんが、夫の浮気や賭け事に悩みながら、寄席のチェーンを経営するまでになる。
脇を固める小沢昭一や浪花千栄子が素晴らしい。

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