隠密侍危機一発
劇場公開日:1965年12月18日
解説
「コレラの城」の田坂啓がオリジナル・シナリオを執筆、「江戸犯罪帳 黒い爪」の山下耕作が監督した。撮影は「蝶々雄二の夫婦善哉」の鈴木重平。
1965年製作/87分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年12月18日
ストーリー
信州高遠藩の主君内藤駿河守は病の床にあり、それをよいことに城代内藤刑部が権力をふるい、江戸家老津島修理のひんしゅくをかっていた。この修理が怒ったのは刑部の息子伊織を菊姫の婿とすること、また国表唯一の正義派次席家老、早川出雲の切腹を一方的に決めた時だ。その頃、江戸を追われた秋月慎次郎は、国表城代組目付役の佐倉徹之介宅に身を寄せた。刑部の片腕、徹之介は乳飲み兄弟慎次郎を修理の放った密使と疑っていたが、鬼門丸詰め小頭格にとりたてた。体のいい倉庫番としてつめる慎次郎はひそかに目を光らせ、人足に化けた隠密から密書をとりあげた。密書は幕府大目付水野備中守宛のもので、主君内藤駿河守が既に他界していることを告げていた。跡目が決まる前に主君が死ぬとお家断絶の掟がある。刑部はこれをみこして菊姫の結婚を急ぎ、お家乗っ奪りを策していたのだ。この動きに対し矢吹亥四郎ら若侍誠忠組は、刑部の不正を曝き、粛正を策していた。これに加担した慎次郎の動きは徹之介に組していると思っていた誠忠組には意外であった。慎次郎の発案で、誠忠組の若侍を牢獄にぶちこんだ慎次郎は、誠忠組の若者を城に入れると、菊姫祝言の夜、慎次郎も共に菊姫奪取に成功した。鬼門丸曲輪にかくれた菊姫、慎次郎に城兵らが斬り込んだ。そんな時、隣藩の諏訪家が江戸参勤の途上、城下で宿泊したいと申し入れて来た。徹之介は困惑の末主君同士の挨拶に菊姫を要し、慎次郎に和睦を申し入れたが、慎次郎は抜け穴から菊姫を逃がすと、亥四郎の姉ゆきをかえ玉にした。正体を見破った徹之介はゆきに強い折檻を与えた。一方若侍に守られて城を出た菊姫は、備中守一行に捕えられ城に逆戻りした。亥四郎がそこで見たのは、ゆきの痛ましい死骸であった。備中守は、責任を感じて果てた修理の口から、主君内藤駿河守の亡きこと、刑部の不正を聞き知っていたが、修理、亥四郎一派の忠勤に感じて、菊姫の婚儀整い次第、お家再興を認めるという裁定を下し、刑部に切腹を命じた。淡い思いと感謝の念をこめた菊姫の懐剣を手に慎次郎は徹之介に対峙した。菊姫の懐剣が徹之介の胸を刺した。総てを終えた慎次郎は、江戸上屋敷に戻った。
スタッフ・キャスト
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秋月慎次郎丹波哲郎
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佐倉徹之介内田良平
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菊姫富司純子
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矢吹亥四郎河原崎長一郎
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ゆき桜町弘子
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津島修理二本柳寛
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水野備中守大友柳太朗
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平田主計有馬宏治
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内藤刑部内田朝雄
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宮下勘太夫矢奈木邦二郎
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星野主馬那須伸太朗
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岡島半蔵相原昇
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本庄弥八鷹司譲記
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田所七之丞波多野博
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大村惣兵衛河村満和
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小林源八郎原京市
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越水市之進脇中昭夫
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中西数馬佐藤蛾次郎
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山岡左源太五十嵐義弘
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野村嘉衛加川圭三
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三枝又七前川良二
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島小左衛門大木悟郎
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甲田雄助江木健二
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戸口庄兵衛阿波地大輔
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黒木耀蔵穂高稔
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柳斎市川裕二
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人足風の隠密香月涼二
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田鶴鳳玲子
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内藤伊織富家賢次
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諏訪豊後守原健策
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山川采女熊谷守
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老僕松助源八郎
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腰元岡田千代
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番太?畑中伶一
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番太?平沢彰