「1作目の雰囲気どこ行った!?」人生劇場 続 飛車角 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
1作目の雰囲気どこ行った!?
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"人生劇場 飛車角" シリーズ第2作。
Amazon Prime Video(東映オンデマンド)で鑑賞。
原作は未読。
1作目が奈良平を殺したかどうかを観客に委ねるラストだっただけに、続編があると知り「その後」が気になって続けて鑑賞したが、なんと云うことだろう。かなり面食らった。
悲壮感漂う「任侠文学」だった前作の雰囲気はいったい何処に行ってしまったのだろう。東京から満州へ、おとよを追って繰り広げられるアドベンチャー物に変貌していたのだ。
飛車角がナイロンの利権を巡って仁義を通し敵中に飛び込む姿は、真の侠客としての格好良さが満載で惚れ惚れした。
だが誰が想像し得ただろう。話の舞台が遥か満州の大地へと移動して、馬賊や悪徳商人との対決に雪崩込もうとは…
途中で別の作品に変わってしまったのかと疑いたくなるくらいトーンが違い過ぎて、これじゃない感が強かった。
おとよが死に、ようやく前作のような悲壮感が漂うトーンを取り戻して、物語は一気に終幕へと突き進んでいく。
任侠道を貫いた先の飛車角の最期は、筋を通した者が何故命を奪われねばならないのかと、虚しさの漂うものであった。
最後の最後の瞬間に「任侠文学」としての姿を取り戻してくれたようで、悲しい展開ではあるがなんだか嬉しかった。
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