「公訴時効目前の中、執念と道徳とで揺れる刑事の強盗殺人犯追跡を描くハードボイルド映画!!」人間狩り(1962) O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
公訴時効目前の中、執念と道徳とで揺れる刑事の強盗殺人犯追跡を描くハードボイルド映画!!
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タイトルからするとピカレスクロマンを想像してしまうのですが、時効間近の強盗殺人犯をたった一人で執念深く追い詰める刑事の暗闘を描いた追跡劇です。
当時未だ20代後半の若き長門裕之さんが主人公の冷血漢小田切刑事を熱演しています。
本作では主人公は犯人を逃がしますが、それは房井の今の人となりとその家族を鑑みてのことであり、もし彼が相も変わらず悪辣な人生を送っていれば判断は変わったでしょう。
"相手の人間性に鑑みて手心を加える"と考えるといかにもな超法規的措置でそれこそ法の番人としてはあるまじき行為ですが、同時に"法を順守することによって誰も救われない"という矛盾点も見過ごせないところです。
ただ、改心した房井をも逮捕したとすればその後の小田切はタガの外れた犯罪者へまっしぐらだったとも思われ、だとすると一連の事件は小田切が敵を愛し赦す洗礼の物語のようにも思えました。
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