手盗人

劇場公開日:

解説

胡流氓工場が、村松保宗監督の「屋根裏」に続いてプロデュースした自主製作映画の第2弾。24歳の六川則夫の第一回監督作品。六川と製作の大久保賢一とは、早稲田大学の映画製作者集団“乱反射”のメンバーであった。去年「ハードボイルドハネムーン HARDBOILED_HONEYMOON」を撮った後藤和夫が主演。音楽担当の憂歌団--内田勘太郎(リード・ギター)、木村秀勝(ヴォーカル・ギター)、島田和夫(ドラムス)、花岡健治(ベース)--は、関西中心に活躍しているユニークなブルース・バンド。(16ミリ)

1975年製作/55分/日本
配給:その他
劇場公開日:1975年11月13日

ストーリー

昭和50年の東京。川沿いの、古い木造アパート「竹薮荘」に管理人として住んでいる明鞠男は、座卓と万年床の回りに無数の本が積んである部屋で、原稿用紙に向かっている。文学青年である彼は、“怪盗手盗人”を主人公にする小説を書いていたのである。ある日、上野駅から列車に乗って浜辺にやってきた鞠男は、砂浜を掘ってマネキン人形を取り出す。人形の手にロープで結びつけられた自転車を海中から引きずり上げた彼は、それに乗って池袋北口の公衆便所にやって来るが、小用をたしているあいだに、自転車を盗まれてしまう。そこに突然、完全装備でオートバイにまたがった女が現れて、鞠男をうしろに乗せ、自転車泥棒を追跡、そいつを彼女が殺してしまう。女は姿を消し、オートバイだけが残されている。洋装店のショウ・ウインドウを見ると、そこに立っているマネキンが彼女なのだった。鞠男は、マネキンの手を盗み、自転車に乗って逃げ出すが、うしろには死んだはずの自転車泥棒が乗っているのだった。(ハッとして起きあがると、これは夢なのだ。)その翌日の夕方、鞠男が帰って来ると、部屋には夢の中に出てきた女(エル)がいて、“怪盗手盗人”の登場する彼の小説を読んでいるのだった。女と情交した鞠男は、翌朝机の上に女の生腕が乗っているのにビックリ。それを川に捨てようとするが、誤って自分も川に落っこちてしまう。東京湾の方へ川を流れて行く鞠男の死体を、橋の上であの女が眺めているのだった。

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