「三輪勝恵さんを偲んで」ひみつのアッコちゃん(1989) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
三輪勝恵さんを偲んで
パーマン1号や怪物くんのヒロシや「だけじゃない帝人」のカトリーヌの声で有名な声優の三輪勝恵さん
2024年6月19日急性肺塞栓症のため80歳で他界
合掌
子役を経て大学に進学し教育実習で声が変だと馬鹿にされ教師を断念し声当ての仕事を選んだ逸話がある
当時のその小学生たちグッジョブ!
自分的には子供の頃からかなり馴染みのある声優さんの1人だけにとても悲しいし自分も歳を重ねたことを実感
『ひみつのアッコちゃん』では大将の弟の少将として出演
飼い猫のドラを馬のように跨って移動する赤塚テイスト
監督は『Dr.スランプアラレちゃん ほよよ!ナナバ城の秘宝』『勝利投手』『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 起きあがれ!!アバンの使徒』『美少女戦士セーラームーン S』『映画おしりたんてい テントウムシいせきの なぞ』の芝田浩樹
脚本は『宇宙皇子』『それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲』『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 起きあがれ!!アバンの使徒』『エコエコアザラク(1995)』『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』の武上純希
1989年春の東映まんがまつり4本のうちの1つ
東映まんがまつりは夏を最後に翌年から『東映アニメフェア』に変更
『高速戦隊ターボレンジャー』戦隊モノは93年の東映スーパーヒーローフェアまで中断
『聖闘士星矢 最終聖戦の戦士たち』テレビ朝日開局30周年事業
『おそ松くん スイカの星からこんにちはザンス!』フジテレビ開局30周年事業
『ひみつのアッコちゃん』フジテレビ開局30周年事業
今回の『ひみつのアッコちゃん』は1969年から1970年にテレビ朝日系で放送された第1作のリメイク
1988年から1989年までフジテレビ系で放送された第2作目の劇場版1作品目
自分の世代としてはこっちが親しみがある
因みに『ひみつのアッコちゃん』は第3作品目もありそれはこれもまたフジテレビ系で1998年から1999年まで放送されたがこちらは全く観た記憶がない
第2作目は第1作目ほどではないが大好評
最高視聴率は20%を超えたのだから大成功といえる
コンパクトも売れたらしい
『ひみつのアッコちゃん』の原作は赤塚不二夫だがアイデアは彼の奥さんだという
アッコちゃんの由来は奥さんの姉の渾名らしい
コンパクトで変身するのも「テクマクマヤコン」も「ラミパスラミパスルルル」もアニメオリジナル
原作では大きな鏡に「鏡よ鏡 ◯◯になれ」
〇〇は逆さ読み
『ひみつのアッコちゃん』の第1作目と第2作目はだいぶ雰囲気が違う
第2作目はかなりコミカルさが増しているしメソメソ泣き虫な優等生タイプだったアッコちゃんは活発なお転婆キャラになっている
これは東映動画の関弘美が第1作『ひみつのアッコちゃん』の前番組『魔法使いサリー』のファンであり第1作のアッコちゃんのキャラが嫌いだったから大幅にキャラが変更された経緯があるらしい
アッコちゃん父親の仕事も船長からニュースキャスターに変更し出番が増えた
田村正和主演のTBSドラマ『パパはニュースキャスター』が大好評だった影響があったようだ
大将の父親は大工さん
自宅で赤塚工務店を営む
つまり大将の苗字は原作者と同じ赤塚
今回の話は子供たちの遊び場である赤塚工務店の裏にある空き地にマンションが建設される話
マンションの一階は赤塚工務店
大手不動産会社と赤塚工務店が組んだ計画
子供たちは阻止するため抗議するが
リーダーとして子供と父親の板挟みで苦しむ大将が見どころ
いまどきっていうか1989年当時でも東京に空き地なんかないだろって
藤子不二雄もそうだけど彼らが漫画家を始めたころはわりとあったんだろうな
あと大将の母親がいつも割烹着姿だけど80年代でも滅多にいねーよ
冒頭で大将は空き地でサッカーやろうってのにキーオはゲートボールだとキャラに似合わない渋い趣味は笑える
子供たちの面々がバラエティに富んでいる
見てるだけで楽しくなってくる
これもまた赤塚テイスト
声の配役
主人公のアッコ(加賀見あつ子)に堀江美都子
アッコの親友のモコ(浪花元子)に杉山佳寿子
ガキ大将の大将に塩屋翼
大将の弟の少将に三輪勝恵
モコの弟のカン吉に上村典子
落語家風の子供の卯の花ガンモに三田ゆう子
眼鏡をかけた噂好きの子供のチカ子に山本圭子
大将の子分のギョロに小林通孝
大将の子分のゴマに佐藤智恵
鏡の女王を母と呼ぶキーオ(姿桐男)に中原茂
アッコちゃんが飼っている猫のシッポナに渡辺菜生子
大将の家で飼っているドラ猫のドラに佐藤正治
大将の父の文造に松尾銀三
大将の母の光子に上村典子
ニュースキャスターのアッコのパパに銀河万丈
芸術家のアッコのママに太田淑子
第1作目でアッコ役だった太田淑子が第2作目ではアッコのママ役
今回の劇場版には登場してないが鏡の女王役には増山江威子
オープニングテーマとエンディングテーマも堀江美都子が歌っている