劇場公開日 2022年12月30日

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「今はなき重厚で揺るぎない世界観に感動」銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 かつのじょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今はなき重厚で揺るぎない世界観に感動

2023年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

宇宙空間とクラシック音楽の素晴らしいマッチング。アニメ銀英伝の第一印象です。
34年前、高校生だった私は、ブリュンヒルトで流れていた音楽に感動して、ショパンのノクターン9番をピアノで練習しました。イゼルローンに着水する場面で「白鳥の湖」組曲にこんなにかっこいいワルツがあるのを初めて知りました。正直この曲は、本家のバレエで使用される場面よりこっちの方が断然生かし切れているとさえ思えます。…そんな数々の個人的な思い出がワーッと蘇ってきました。

プロローグの記述も帝国軍兵士が酒場で歌う歌もドイツ語だし、説明的なセリフやナレーションも少ない中淡々と話が進んでいくので、原作小説を知らない人にはわけがわからないでしょうが、この「ついて来れるもんだけついて来い!」的な、観客に媚びない姿勢がまたかっこいいです。このどっしりとした、重厚で揺るぎない世界観が頼もしいです。
最近の映画は、アニメに限ったことではないですが、あまりに多方面の顔色を伺ってビクビクしているというか、民主主義なのに表現の自由がないなぁと感じて心配になるので余計にそう感じたのかもしれません。
今、大画面で、シネコンのとっても良い音でこの作品を観ることができてうれしかったです。
劇場を出て、よし!もう一度小説を読み返そう!と思いました。

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かつのじょう