「ハードボイルドも行き過ぎるとただのギャグ。」妖獣都市 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ハードボイルドも行き過ぎるとただのギャグ。
人間界と魔界の共存の為に闘う「闇ガード」の活躍を描くハードボイルド・ホラーファンタジーアニメ。
1980年代後半という日本アニメ界の黄金期の作品にふさわしい美しいセルアニメーションを堪能することが出来る。
後にジブリ作品でその辣腕を振るうことになる男鹿和雄さんが美術監督を務めていることもあり、映像の美しさは超一級❗️
川尻善昭監督の耽美的かつ暴力的な世界観を本作でも存分に味わうことが出来る。
声優陣も屋良良作、藤田淑子、永井一郎、青野武など、最高の役者陣が揃っておりその演技力には唯々圧倒される…
しかし、脚本は陳腐の一言。
型に嵌ったハードボイルド描写はもはやギャグの領域。
主人公&ヒロインは凄腕の闇ガードのはずだがめっちゃ弱い。完全にテロリストに戦力劣ってますやん…
ハードボイルドなキャラクターは圧倒的な強さがないとただのバカにしかみえないということをこの作品で学びました。
護衛対象見捨ててヒロインを助けに行くシーンとか、お前プロとしてそれでいいのかっ!とツッコミたくなる。
そもそも主人公とヒロインは出会ってまだ1日しか経ってないですよね?
それにも拘らず、この2人の子供を産ませるために全ては仕組まれた計画だったという、ハァ?と言うしかない気持ちの悪いオチもBAD👎
クライマックスのジジイ無双&唐突なヒロイン覚醒も主人公を蚊帳の外にしただけで、映画的なカタルシスは皆無。
何より無駄なエロシーン多すぎぃ!ヒロインどんだけ犯されるんだよ!
ヒロインが拉致られた時、ドヤ顔で主人公が助けに来てたけど、あれ何も間に合ってないよね…
今は亡きセルアニメーションの美しさを堪能出来る作品だが、ストーリーは単調でつまらなく90分の上映時間が長く感じる。
人間界と魔界の調和のために闘う戦士達という設定は魅力的なので、もっと面白い作品にできたのではないでしょうか?