エリア88のレビュー・感想・評価
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スタジオぴえろ入魂の作画と刈り込まれたストーリー。
親友に裏切りにより入隊させられた最前線の傭兵部隊でパイロットの風間真は、日本に帰る為に死闘をくぐり抜ける。
新谷かおるの名作漫画のアニメ化で、当初はオリジナルビデオで2本の前後編二本で発売されたが、再編集されて劇場公開された本作は、当時の有力アニメスタジオだったスタジオぴえろの総力を駆使した作画で、素晴らしいメカ描写を見せてくれる。
冒頭でT-55戦車部隊を攻撃するF8クルセーダーのばら撒かれる20ミリ機関砲の薬莢描写から、凝っており戦闘機こ旋回着陸場面や戦車の破壊描写なども素晴らしい作画で、原作以上の見せ場を提示して引き込まれる。
そういえば、アニメで薬莢がばら撒かれる場面をガッチリ描写したのも、スタジオぴえろが、押井守を招いて作ったオリジナルビデオアニメの『ダロス』が最初だったはず。
旅客機の羽根に仕掛けられた時限爆弾を削ぎ落とす場面の舐めるように進むスピード感なども冒頭の場面と上下が入れ替わり対になる演出と作画が良い。
キャラクターのデザインもマンガを踏襲しており、声優陣も吹き替えなどでも活躍するベテランが多くて安定感がある。
個人的には、ミッキー役の冨山敬やマッコイ爺さんの家弓家正と意外とハマっているサキ役の志垣太郎などの芸達者が嬉しい。
タツノコプロなどで活躍したベテラン監督の鳥海永行と酒井あきよしが担当してストーリーや展開などもコンパクトにまとめてあり、過不足なく分かりやすい。
三銃士で有名なデュマの『モンテ・クリフト伯』をベースにしている膨大な原作を全て描いている訳では無いが、2000年代にリメイクされたTVアニメ作品よりこちらの方か数段上手な出来映えで楽しめるが、満足度は、本作の続編にあたるオリジナルビデオアニメーションの『エリア88 ACTIII 燃える蜃気楼』が頂点になっている。
個人的にはこの『エリア88 ACTIII 燃える蜃気楼』が構成と見せ場の盛り方が素晴らしい出来で、一番映画になっていると思う。(劇場公開されて無いけど)
「新谷かおるARTWORKS」発売を記念して書込みました。
誰も書き込んで無かった。(^_^;)
原作は全巻持ってました。
映画もアニメも雰囲気だけ楽しめればって程度。
でも、時間の制約と予算を考えるとこんなモンかと。
この作品が今の時代のモノだったら、シンの愛機は何になるのかな?
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