「なかなか面白いサイコ・サスペンス」ガスの灯り たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なかなか面白いサイコ・サスペンス

2023年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『ガス燈』(1944)が大傑作なので、あまり期待せずに観てみたら、なかなか面白いサイコ・サスペンス映画であった。

「どうしてもイングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエを思い出してしまうかな…」と思いながら観始めたら、この映画ではこの主演2人が「妻を精神的に追い詰める夫」&「精神的に追い詰められる妻」を好演していて、本作(1940年)の4年後に作られた傑作と比較する余地を与えないテンポ良さ。

オープニングも、ある部屋で座っている老婆の背後から迫る殺人者、そしてその殺人者を映さないカメラが上手くて、その後のヒッチコック映画などを思わせるような見事な場面。

その殺人事件が起こった家は長年借り手がいなかったが、ある夫妻が住み始めるが、夫は妻を「アレはどこやった?」・「また盗んだのか?」などと妻を追い詰めていくが……と、これは物語を知っていても楽しめるサスペンス。

原題『Gaslight』であり、本作の邦題は元々『ガスの灯り』とされていた映画。
この映画があってこそ、あのイングリッド・バーグマンにアカデミー賞をもたらした傑作が生まれたのだが、納得の「オリジナル版の映画」であった。
(※)大元の原作は、パトリック・ハミルトンの戯曲。

[余談]
最近発売される廉価版DVD-BOX(10枚組)は、「サスペンスBOX」とされていても【まったくサスペンスじゃない映画】が収録されていたりしてイマイチ感があった。
今回は本作ではなく別の作品が収録されていたので一応買ってみたが開封までに時間かかった(笑)
本作は面白かったが、他の映画は「サスペンス映画じゃないかも…」と思いながら、ボチボチと観ていく予定。

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たいちぃ