第五階級

解説

伯林の有名な漫画家ハインリッヒ・ティレ氏の描いた多くの画を題材として、ハイルボルン・ケルビッツ氏が映画脚色をし、新進監督の名のあるゲルハルト・ランプレヒト氏が監督製作した社会劇で、「ジーグフリード」「クリームヒルトの復讐」に出演したベルンハルト・ゲツケ氏「街」「海賊ピエトロ」に出演したアウド・エゲデ・ニッセン嬢が主演その他アルトゥール・ベルゲン氏、エドワード・ロトハウゼル氏、マディ・クリスチャンス嬢等の知名の俳優が助演をしている。全篇到る所にティレの画を彷佛させる場面が点綴されている。無声。

1925年製作/ドイツ
原題または英題:Outcast Die Verrufenen

ストーリー

或る名誉を守るため余儀なく犯した罪が法に触れ入獄したロバート・クラーマーは刑期満ち世の中に出て来た、が父親も親族も相手にしてくれなかった。許嫁のゲルダも既に夫を迎えていた。失望と困苦のどん底に陥った彼は身を投げて死のうとした時「夜の女」エミーに救われた。エミーと其の情夫のクラレンスは彼を親切に世話した。同じ長屋に住む写真師のロットマン老人の助手をしたり、ミシンの内職をしたりして彼は貧しい乍ら正しい生活をしていた。或る夜酒場で金持ちの紳士が殺された。その嫌疑がエミーとクラレンスに懸かって捜査の手は厳しかった。それを聞いたクラーマーは若干の金を都合して二人を秘かに逃がしてやった。その後、或る機械工場に職工として通っていたが新しく購入された機械を誰も運転出来ないのを見て旧機械技師の彼は修繕をしたのが因で認められ都の工場に栄転した。一方エミーとクラレンスは捕らえられたが、エミーは病気のため保釈で戻って来た。病は重くなる一方である。ロットマン老人の知らせで駆け付けて来たクラーマーの手を握り乍ら「今迄多くの男に接して来たが真実愛していたのは貴方だけである」と悲しい告白をして死んで行った。それから後、彼は工場主の妹の愛を得て幸福な生活に入ることが出来たけれども心は淋しく、どん底に生活する第五階級の人々の上に通うのであった。

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