大地(1930)のレビュー・感想・評価
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ウクライナがロシアにもNATOにも利用されるのは反対。
1929-1930 年の間で、ソ連のキエフのVUFKU スタジオで製作された映画だと。
小麦畑、大輪のひまわりが揺れ動く、少女、それから林檎が映し出される。収穫するには多すぎる林檎。少女、子供、りんご、麦畑でウクライナの肥沃な土地(大地)に住む農家の豊かさが垣間見れる。1930年にこんな自然に囲まれ、微笑ましい人間関係を見せてくれる。そして、おじいさん、シモンが、『お腹が空いた』と言って、差し出された『なし?(字幕ではなしとなってる)』を食べる。食べ終わらないうちに、『さようなら、死にます』と倒れる。死は自然と一体になり、生の一部と感じさせるいいシーンだ。家族と会話を交わしながら、草の上の死の床につく。一代の世代が終わり、世代交代が始まる。
孫のヴァージル(Vasyl)Semen Svashenko はお父さん、Opanas(Stepan Shkurat )とは考え方が違うようだ。農民の生活をより豊かにと、彼と革新的な仲間は穀倉地帯の村で初めて収穫に使うトラクターを持って帰ってきた。村の人々は大騒ぎで集まる。多分見たことがないんだろう。しかし途中で止まってしまうが、ラジエーターに水が入っていないことに気づく。ある男が、放尿して、トラクターが動くようになる。
小麦畑で、このトラクターで収穫を上げて、小麦粉が作れ、パンになる。活発に女、子供や人々が笑いながら農作業に従事する。
ヴァージルは金持ち農夫に殺されてしまう。
ヴァージルの葬儀はロシア正教会の神父に頼まないと父親も考えを変える。無神論者になる。ヴァージルの友達に新しいタイプの葬儀の仕方、新しい歌を歌い、新しい生活が始まると。 ヴァージルを殺した金持ちの農夫はコルフォーズに反対するが、村の農民は彼のことを相手にしない。ヴァージルの友は葬儀の時、ヴァージルを讃える。そして、新しいリーダーとなるようだ。
大雨が降り、大地が潤い、またこれから素晴らしい収穫を迎えることを感じさせる。
最初のシーンで映画の説明が出る。監督は体制に反対する農民の一人(ここではヴァージル役)が殺された。これを作品にしたらしいが、(私の理解が間違えなければ)愛・家庭・出産・苗つけ・収穫・など、苦しみのなかにある実がなる喜びを表したと。
サイレント映画なので、変な言い方だが、四苦八苦してみた。リマスター版だというがで、とてもみにくくて苦労した。
途中でビデオを止めて、『1930年ソ連』と検索して、当時の政治を少し読んでみた。スターリン下
におけるコルホーズ(ソビエト連邦の農業集団化)の時代だった。世界史で習ったことが蘇ってきたが、不幸にも、この前後のソ連の政治・社会状態は全く蘇らなかった。はっきり言って、暗記のみのお粗末な学習だったからな。。。。。。第一次五ヶ年計画の第一だったから、農家はこの革新的な計画に賛同したが、その後、このウクライナは肥沃な土地の収穫が豊富なのをソ連に利用されてしまうと、ウクライナからの私の生徒が言っていた。 そして、ウクライナ人は殺され、ロシア人がこの土地に入ってきたと彼女は言っていた。
私とウクライナ人の生徒は日本経済大学にメールを入れた。ボランティアでウクライナ人に日本語を教えるために。平和を!
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