悪魔のような恋人のレビュー・感想・評価
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イギリス映画のシニカルさが男女関係の恐怖映画に至るリチャードソン監督の傑作
「ホテル・ニューハンプシャー」のトニー・リチャードソン監督の悪女映画。ピエル・パオロ・パゾリーニ監督のチョーサー原作「カンタベリー物語」の一挿話を彷彿とさせる、女の怖さをアンナ・カリーナが演じる。女と男の危うい関係をシニカルに描き切った恐怖映画の様なリチャードソン監督の演出は、他に類を見ないもので独特な味わいがある。原題”Laughter in the Dark"が作品の本質を突いた意味深な表現で、日本題名ではその怖さが少し和らいでいる。
リチャードソン監督の作品では、1977年作の「ジョセフ・アンドルーズの大逆転 苦難と冒険の物語」も気に入っている。1983年のテレビ放映では「ジョセフのドキドキ青春日記」のタイトルになっていた。こちらは貴族をカルカチュアした内容になっており、イギリス映画のシニカルな特徴を発揮していて、とても面白かった。「悪魔のような恋人」と共に再見の機会があるといいのだが。
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