総進撃のレビュー・感想・評価
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戦場における理想主義とは…
第一次世界大戦におけるイタリア軍vsオーストリア軍の戦いを描きながら、軍隊における理想主義の在り方・挫折、無謀な「総進撃」を指示する上官こそが「真の敵ではないか?」といったメッセージ性を持ったフランチェスコ・ロージ監督による戦争映画。
本作で「理想主義を体現する兵士」は何人か目立つものの、全編通じて多く描かれるイタリア軍vsオーストリア軍の大群どうしの戦いは軍服の見分け付けづらくて、分かりづらかった。
映画製作陣は、おそらく緻密な調査を経て多数の軍服・装備をイタリア兵士用&オーストリア兵士用と用意して撮影したはずなので、作った側は両軍の見分けは簡単につくのだろうが、事前知識を持たない者には「戦争で戦っているが、どちらがどちらか???状態」であり、残念。
確かに、戦場における理想主義は脆くも崩れ去るものだ……というメッセージは分かるが、あまり心に響く魅力が無かった気がした。
ファシズムの前では正義も崩れる
第一次世界大戦、イタリアはオーストリアと戦っていた。
主人公は愛国心に燃えていたが、戦場の非情さの前に茫然としていた。
無能な将軍のために死体の山を築くことになり・・・。
監督はフランチェスコ・ロージ、残念ながら、ヒューマニズムの脆弱性がよく分かる。
敵は上官
第一次世界大戦時のイタリア-オ-ストリア戦線を、イタリア側から描いた作品。
1972年の作品なんですね。HDリマスター版ということもあって、映像はとても新しく感じました。しかし、やはり爆発等のシーンは、迫力に欠けるのは残念なところです。
映画は終始一貫として、戦争の、戦場の不条理さを描いています。
バカな指揮官の無謀な戦術により、無駄に死んでいく兵士たち。オーストリア兵ではなく、上官により苦しめられ、殺されていく兵士。
色々な戦争映画を鑑賞しましたが、どの映画とも異質で心に残ります。
ラストの虚無感も、この映画に相応しいものでした。
やや冗長にも感じられ「とても良い作品」とまでは言えませんが、観て損はない映画だと思います。
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