劇場公開日 1983年8月6日

「他愛ない映画だけれど、カタルシスが得られた。」カンニング・モンキー 天中拳 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0他愛ない映画だけれど、カタルシスが得られた。

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

BS260で視聴。
カンフー映画では、普通、若者が師匠について徹底的に訓練し、最後に敵に勝つことが多い。この映画ではジャッキーは、奥義を紙で受け取り、場合によっては、それを現場でも見て(カンニングして)相手を倒す。何とも他愛ないお話。
しかし、ジャッキーは、スタントマンとしてスタートしたためか、なかなか自分のパターンを見いだすことができないでいた。何しろ、身代わりだから。しかし、カンフーにユーモアのセンスを持ち込んで、コミカルに演ずることに成功している。彼は、その後、カンフーからアクションに進んで、世界を代表するスターになったが、コミカルな味付けは残った。
この映画で一番よかったのは、日本公開版に出てきた主題歌「カンニング・モンキー」
英語詩に曲をつけたのは、タケカワユキヒデ、編曲はミッキー吉野、歌ったのは、シャイという沖縄のグループらしいが、音楽はゴダイゴそのもの。映画に、音楽がぴったり寄り添っている。
その頃の日本の勢いが、まざまざと感じられた。第一、ジャッキー映画の最大の市場だし。何と言っても、音楽の素晴らしさ。70年代から80年代の日本のシティポップは、世界を完全にリードしていた。日本人は必ずしも気づいていなかったが。香港映画界はそれを知っていて、日本人のスタッフが、たくさん海を渡り、力を貸した。サウンドトラックが、今見ても全く違う。それにしても、あの頃の日本人(女性)のジャッキー追っかけファンもすごかった。夢のような時代があった。
この映画を見て、カタルシスが得られた。心が洗われて、元気が出た。

詠み人知らず