マリー・アントワネットの生涯のレビュー・感想・評価
全2件を表示
ドラマチックな史実自体の面白さと、タイロン・パワー演ずるフェルセンの格好良さ
W・S・バン・ダイク2世監督による1937年製作のアメリカ映画。
原題:Marie Antoinette、配給:日貿映画。
マリー・アントワネットのことを殆ど知らなかったこともあり、大変に面白かった。
オーストリア皇帝の娘であるマリーは、一般的イメージ通り、前半は我儘で浪費家の腰軽女であるが、後半では良き母・良き妻の側面も描かれていた。そして、愛情を覚える様になった夫ルイ16世も死刑にされ、最愛の息子は隔離され、自身もギロチンで捌かれる運命で、大きな同情を誘われた。政治より物作りが好きだったルイ16世が息子の壊れたオモチャを死刑前日夜に修理するエピソードを添え、上手い脚本と思った。
マリー・アントワネット演じたノーマ・シアラーは年齢もかなりいっており美しさは感じなかったが、彼女が愛したスウェーデン貴族フェルセンを演じたタイロン・パワーの男ぶりと格好良さには正直驚かされた。彼はマリーを長期間にわたり深く愛し、革命により幽閉された彼女一家の脱出劇も敢行し成功目前までいく。それが史実であることに何より驚かされると共に、脱出劇が何とも劇的で、世界中で何度も物語として描かれる理由を納得。
ルイ16世の従兄弟で権力指向でマリー・アントワネットを誘惑し浪費に導くオルレアン公を演ずるジョゼフ・シルドクラウトや、ルイ15世の愛人デュ・バリー夫人を演ずるグラディス・ジョージの存在感が、ドラマ性を随分と盛り上げていた。
脚本クローディン・ウェスト、ドナルド・オグデン・スチュワート、エルネスト・バイダ
原作シュテファン・ツバイク。製作ハント・ストロンバーグ、撮影ウィリアム・H・ダニエル、音楽ハーバート・ストサート。
ノーマ・シアラー(Marie_Antoinette)、タイロン・パワー(Felsen)、ジョン・バリモア(Luis15)、ロバート・モーレイ(Luis16)、アニタ・ルイーズ(Mrs._Rumbal) 、ジョゼフ・シルドクラウト( Arlean )、グラディス・ジョージ(Mdm._Dubalee)、ヘンリー・スティーブンソン(Mercy)。
籠の中の〈華美な浪費家の鳥〉みたいな…
30年代映画だけど 美術/衣装が贅沢
それでやっぱり製作費が高騰してしまい
白黒になった映画
衣装のエイドリアンの頑張りも感じられ
〈頭に鳥籠〉結構可愛かったです
飢えた国民には怒髪天ものですね…
彼はシアラーの目の色に合わせて衣装を染めたり
様々な色の配慮もしていたらしいので
やっぱりテクニカラーで観たかった!
ラブシーンでも ついアントワネットの
ヘアスタイルの方に視線が…
さすがに冒頭の少女時代には無理がありましたが
年を重ねるにつれシアラーは
それなりに馴染んでいったような…?
終盤では女優魂も感じられました
ツヴァイクのアントワネットの伝記がもとらしいのですが
あの有名な(彼女が言っていない)台詞
「パンがなければケーキを食べれば」はありませんでした
陰謀を巡らしたオルレアン公は
それを暗示するかのように不気味メイク!
厚塗り=仮面 というような意味もあるのでしょうか?
(フリーメイソンにもなったのね)
ハート型みたいな つけぼくろも…
遊び人でもあるからかな?
全2件を表示