土曜日の乙女

解説

「情炎の美姫」「楽園に帰る(1928)」と同じくコリーヌ・グリフィス嬢主演映画で、嬢が最初の発声映画として製作されたものである。原作は1927年のピュリッツア賞を受けたマクスウェル・アンダソン氏の舞台劇で、「情炎の美姫」をアダプトしたフォレスト・ハルシー氏が脚色し、「青春倶楽部(1926)」「試験結婚」その他のパラマウント映画を監督したグレゴリー・ラ・カヴァ氏が監督した。相手役は「情炎の美姫」に端役を勤めたグラント・ウィザース氏が抜擢されて演じ、「情炎夜曲」「中国の鸚鵡」のアルバート・コンティ氏を始め、かつてフォックス映画などに主演していた舞台女優アルマ・テル嬢、「彼とお姫様」「棚からぼた餅」のルシェン・リツルフィールド氏が助演している。キャメラは「情炎の美姫」「魔術師」のジョン・サイツ氏が担任している。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Saturday's Children

ストーリー

某の会社でボビー・ハルヴェイは社長の秘書役をしていた。そして彼女の恋人ジム・オニールは社員の一人だった。社長のメングルはボビーの美しさに心を惹かされ口説こうとすると、オニールが邪魔でしようがない。そこでメングルはオニールを抜擢して会社の代表員として南米に派遣することに決めた。体よく追払われるのだとは露知らぬオニールは出世の緒とばかりこの栄転を悦び出発の日を待ち設けていたが、恋人にいつ帰るか当もない南米などへ行かれることを考えるとボビーは一途に悲しく恨めしかった。その気持ちを察したボビーの姉で既にお嫁に行っているフローリーはオニールが南米行きを放棄してボビーに結婚を申し込むような狂言を打ったボビーは愛する男を一種のペテンにかけるようなこの計画には反対だったが、妙な破目から姉の筋書通りにことは運んで、オニールは栄転昇給のチャンスを断念してボビーと結婚し新世帯を持った。しかし彼一人の給料では若い夫婦の生活を支え兼ねる有様で、結婚して間もないのに彼らは毎晩のように夫婦喧嘩をするのだった。喧嘩をしては仲直りしていた揚句のある晩彼女の姉夫婦が訪ねて来た時、2人は今までにない大喧嘩を始め遂に別居することになった。ボビーは女ばかりの下宿屋に移り再び以前の職に就いた。メングル社長はまた彼女に酷く親切にし、彼女のうちへ送って来たりした。もともと嫌い憎み合って別れたのではないオニールはボビーに帰って来てくれと頼みに来た。しかしボビーは自分が欲しいのは分別臭い良人ではなく、情熱を以て愛してくれる恋人だといって承知しなかった。ジム・オニールがその夜更けて非常梯子伝いに彼女の部屋の窓から忍び込んで来た時、ボビーがいそいそと勇敢な恋人を迎えたことは言うまでもあるまい。

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