闘技場の王者
解説
「悍馬征服」等に主演したケン・メイナードが再びユ社を通じて提供する第1回主演西部劇で、メイナード映画を監督しているアラン・ジェームズが監督に当たった。原作はハル・バーガーとレイ・ラウクが共同執筆し、脚色と台詞には監督ジェームズが自ら任じている。撮影は最近ジョン・ウェイン西部劇をクランクしていたテッド・マッコードの担任。助演者は連続映画「空中怪盗団」「冒険島」のルシル・ブラウン、「獣人島」のロバート・コートマン、「闘う隊商」のジェームズ・マーカス、「異国の母」のフランク・ライス、マイケル・ヴィサロフ、ジャック・モワー等。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:King of the Arena
ストーリー
騎馬警官隊の警部ケン・ケントンは知事の命を受けて、「黒死団」と称する悪漢団の掃蕩に赴く。ヒラー・サーカスの巡業先々で黒死事件が起こるのを怪しいと睨んだケンはこのサーカスの1員となる。昔馴染みのサーカスにはヒーラーの娘メエリイやティン・スター等が彼を快く迎えてくれた。サーカスはロシア人のバーゴフとそのコサック騎手等が呼び物だったが、人気がなく不景気だった。義侠のケンは自らかん馬馴らしを演じて大呼び物となった。ケンはバーコフがメキシコに居る「スミス」なる人物と連絡を取っている事を知った。ある町でサーカスが町回りをしている時、銀行強盗が出納係を殺して行金を略奪した。ケンはその日出演中落馬したが、それは鞍の革を酸で腐触していたためだった。騒ぎに乗じてバーコフは売上金とメエリイをさらって飛行機で逃亡した。そしてメキシコの某地に身代金を持参すればメエリイを返してやるという脅迫状が残されてあった。ケンは同僚ソーンダースと共にメキシコに赴いた。ソーンダースはロシア人の大地主ペトロフ男爵から黒死団討伐に助力を申し込まれたので、ケンはペトロフの使用人等を従え「スミス」捕縛に赴いた。そして渓谷で黒死団と遭遇したが、その団長こそはペトロフだった。そしてケンは捕らえられ黒死の犠牲となろうとしたが、口笛で愛馬ターザンを呼び寄せ、危機一髪毒手を逃れてターザンに飛び乗ることができた。ケンは折しもティン・スターが率いるサーカスの乗馬隊がメキシコ警察隊を相合して黒死団討伐にやってくるのに逢ったので、自ら先頭に立って一同を導き本拠を攻撃した。かくて大激闘の末、ペトロフ、バーコフ等の巨魁を始め賊の一味を掃蕩し尽くした。ケンはメエリイをも救いだし、盗まれた金を取り返し、かくて知事の依嘱を果たしたのである。