翼に賭ける命のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
1920年代の米国。
第一次大戦の空の英雄で現在は飛行機レーサーで少ない賞金を稼いでいるロジャー・シューマン(ロバート・スタック)。
妻のラヴァーン(ドロシー・マローン)は、パラシュートによる落下ショーを演じている。
飛行機に取り憑かれたロジャーは自分でも気づかない希死願望を抱いて飛行機レースに出場し続け、ラヴァーンとの夫婦関係は不安定になってしまう。
新聞記者バーク・デヴリン(ロック・ハドソン)は、そんな飛行機に取りつかれた男の記事を書こうとし、バークとラヴァーンの前で事故が起こってしまう・・・
といった物語で、ロバート・スタックとドロシー・マローンが実質主役。
冒頭のカーニバルシーンから演出は冴え、飛行機レースシーンも迫力があるものの、新聞記者デヴリンのキャラクターに一貫性がなく(アルコール依存症なのか、直情的で良心的な記者なのかはっきりしない)ため物語が散漫になっている。
極論をいえば、彼の役回りは不要ともいえるかもしれない。
メロドラマという以上に、かなりメランコリックな作品になっている。
角砂糖のダイス
ダグラス・サーク作品の中でもやや異質な感じ、死や妄執が隣り合わせにあるような独特の雰囲気は何だろうと感じたのですが、ウィリアム・フォークナー原作だったのですね。1930年代前半の大恐慌下の鬱屈した空気感が映画のタッチにとても合っていたと思います。
何かに憑かれた人物ばかりが登場します。
飛行機と飛行レースに取り憑かれた1次大戦の英雄ロジャー。常に死と隣り合わせだった戦争のトラウマなのか、今はレース出たさに妻を性献上してしまうろくでなしです。これをアンタッチャブルの正義漢ロバート・スタックが演じる皮肉。
妻ラヴィーン役のドロシー・マローンがめちゃくちゃコケティッシュでよいです。「氷の微笑」でのシャロン・ストーンの友人役ぐらいしか知りませんでしたが、愛に飢え揺れ動く女心を上手く表現していました。
メカニック役のジャック・カーソン。ラヴィーンが好きなのに、誠実さから奪うことができない根性なしを名脇役が安定の演技。
この三人に魅せられる記者バーク(サーク作品のスター ロック・ハドソン)が絡み、愛憎渦巻く独特の雰囲気を醸成していきます。
撮影も見事。夜ラヴィーンとバークの室内でのシーン。タバコに火をつける瞬間や酒を酌み交わし、長椅子に寝そべって対話する際のコントラストがとても絵になっていました。
従来のハリウッド作品とは一線を画す良作です。
ハリウッド目出度目出度
でない、ところが星五つなんです
なんかハッピーエンドぽい、のにそーじゃない。
白黒なのも。
外国から来た監督さんだからでしょうか
ちょっと前まで飲料ブランドがスポンサードしてたエアレース、
あれが好きだった人はまずは楽しめると。
男優さんも女優さんもピカピカで大好き、大好物のハリウッド製なのに、
今ひとつもろ手で賞賛できない、
そーじゃないとこが、そこにはまりました〜
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