大荒原(1957)
解説
カンサスの大荒原を舞台にした西部活劇。フランク・グルーバーの原作をデイヴィッド・ドータートと「ザンチャゴ」のマーティン・ラッキンが共同脚色、監督、撮影監督も同じく「サンチャゴ」のゴードン・ダグラス、ジョン・サイツがそれぞれ担当、音楽も同様、デイヴィッド・バトルフが当った。主演は「島の女」のアラン・ラッド、「硝煙」のヴァージニア・メイヨ、「あの日あのとき」のエドモンド・オブライエン。助演は「太鼓の響き」のアンソニー・カルーソ、「捜索者」のジョン・クェーレン、「紅の翼(1954)」のジュリー・ビショップ、アラン・ラッド2世のデイヴィッド・ラッドなど。
1957年製作/アメリカ
原題または英題:Stampeded
ストーリー
南北戦争が終わって程ない頃、南軍出身のモーガン(アラン・ラッド)はテキサスの牧場主の一隊と彼らの牛を連れミズーリ州の鉄道終着駅に来た。牛はここで1頭10ドルにはなる筈だった。がセリ市では土地の顔役ブロッグ一味の拳銃に脅され1頭1ドル半に叩かれた。ブロッグに食ってかかった仲間のビリイは逆に肩を射たれ、頼みのモーガンは意外にも100頭の牛を言い値で売渡す始末。思惑をはずされた牧場主たちはモーガンを雨の中へ叩き出した。南軍の外套を着ているためホテルで門前払いを食ったモーガンは悄然と町を行くが、その彼に同情して自分のねぐらである厩に泊めてやったのはアルコール中毒のジャガー(エドモンド・オブライエン)という建築技師だった。ところが同じ厩に寝込んでいた男のウィスキーを取ろうとしたジャガーが見つかって首吊りの私刑にかけられようとする事件が起った。モーガンは素早くジャガーを救い、盗んだ馬に乗って夜明けには隣州カンサスに着いた。途中ジャガーはアルコールが切れたため半狂乱になったが、モーガンは立派な建築技師の腕をもつ彼を更生させようと考えた。カンサスに着いた2人は農場主スヴェン・ジョンソンに救われ、その家に迎えられた。戸、その夜モーガンは1つの計画--テキサスの牛を売込むためカンサス・シティから、ミズーリの終着駅より200マイルも近いここまで鉄道を延長する考えを思いついた。そうすればブロッグ一味に買叩かれないでもすむ。モーガンはカンサス・シティの鉄道会社の重役ドレーパーを動かし鉄道の延長工事と終着駅の町の建設を承諾させた。アル中を治したジャガーを建設主任に工事は始まった。彼の妹ヘレン(ヴァージニア・メイヨ)は、バーの歌手で、ドレーパーの婚約者だったが、建設に打込むモーガンの男らしさに次第に魅かれていった。ブロッグの襲撃など幾多の困難を乗越えて新しい町が完成、鉄道もやがて開通した。その間にモーガンは新しいセリ市の開催を報せにテキサスへ旅立った。そして町には東部から牛の仲買人が続々と乗込んできた。が、町の中にブロッグ一味を見た彼らは忽ち動揺、セリ市のリーダーとジャガーが敵対して逆に殺されるや町は恐怖のどん底に陥った。仲買人たちは東部へ帰ろうと浮足立った。その時、数百頭の牛を連れてモーガンが戻ってきた。折も折ブロッグは家畜囲いを破り牛を町になだれこましたが、復讐を誓うモーガンは、一瞬の早業でブロッグと乾分コールの2人を射ち倒した。モーガンを抱きしめるヘレン。それを見たドレーパーは寂しく立去って行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ゴードン・ダグラス
- 脚色
- デイヴィッド・ドータート
- マーティン・ラッキン
- 原作
- フランク・グルーバー
- 制作補
- George C. Bertholon
- 撮影
- ジョン・F・サイツ
- 音楽
- デビッド・バトルフ
- 編曲
- Gas Levin