絶対の秘密

解説

「七万人の目撃者」と同じくラルフ・マーフィーが監督したもので、「拳闘のキャグネー」のウィルスン・ミッズナーとロバート・T・シャノンの原作をウィラード・マックとピートリス・バンヤードが共同で脚色したもの。出演者は「沈黙(1931)」「太平洋爆撃隊」のマージョリー・ランボー、「七万人の目撃者」「春ひらく(1931)」のドロシー・ジョーダン、「ビッグ・マネー」のエディ・クィラン、「仮面の米国」のエドワード・エリス、「追いつめられた女」のルイス・カルハーン、「タクシー」のドロシー・バージェス、「デリシャス」のオリーヴ・テル、「闇に踊る(1932)」のデイヴィッド・ジェニングス等で撮影はミルトン・クラスナーの担当である。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Strictly Personal

ストーリー

ソーピー・ギブスンとアニーは今までの過去を忘れるべくカリフォルニアの小さな町で「孤独者倶楽部」というものを営んでいた。ソーピーは根が正直者であったが、お尋ね者であるため、髪を染めて姿を変えていたが、すねに傷持つものの常として人目を憚り、暗い過去の露見を恐れていた。彼らソーピーのもとに、ソーピーの監獄仲間の娘メリーが寄宿していたが、彼女にはアンディという新聞記者の恋人があって、ささやかながら平和な家庭だった。ところが、ある日、ソーピーの前身を知っているマグルダーがこの町へやってきたが、早速彼の弱みに付け込んで、クラブの株を手放させ、クラブそのものも自分の自由にしてしまった。それからというもの、クラブの経営方針は変わり、騒々しいジャズが鳴り、ジゴロが入り込んで年増女を引張り、怪しい紳士が若い娘をねらう所となった。ここで、マグルダーは既にメリーに目をつけ、今は堅気のソーピーやアニーの眼を盗んで、メリーを物にせんとする一方、日ごろ出入りする金持ちらしいキャスルマン夫人の浮き心にもつけ込もうとしていた。それがため、彼の妻ベッシーとの痴話げんかは絶えなかった。やがてマグルダーはキャスルマン夫人を自分の手中におとし入れたが、夫人がダイヤモンド以外に財産のないことを知ると、彼はやにわに夫人を殺し、ダイヤモンドを奪ってしまった。そしてその罪をソーピーに押しつけた。そこで、ソーピーは警察に曳かれ厳しい調べを受けたが、嫌疑が薄く、前身も暴かれずにひとまず釈放された。その間に、マグルダーはメリーに電話をかけ、彼女の叔父を叔母がある事件のため、エルトロ・クラブで彼女を待っていると偽って誘い出した。このことを知ったのは、恋人のアンディーとそれから保釈で出獄してきたメリーの父、なおマグルダーの妻のベッシーで、彼らはそれぞれエルトロに向かった。ソーピーとアニーは、一時釈放されて帰宅し、メリーがマグルダーに連れ出されたことをアンディーから聞き、堅気の道を歩んでいたソーピーもメリーのためついにピストルを握ってマグルダーを追いかけた。マグルダーはエルトロ・クラブに隣接している飛行場の飛行機でメリーを連れてメキシコへ高飛びする心だったが、やっとかけつけたソーピーのピストルに射たれて倒れた。この事件は土地の人々を驚かし、人々が集まってきたときは、ソーピーとアニーとベッシーとメリーの父は、アンディーの手にメリーを委ねたまま、闇の彼方へ姿を消してしまっていた。

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