宣伝第一
解説
「薮睨み武勇伝」「コンゴ」ルービー・ヴェレスと「失恋相談欄」「爆弾の頬紅」のリー・トレイシーが出演する映画で、ベン・マークソンとハロルド・N・スワンソンが書き下ろした物語を「恐怖の四人」のパートレット・コーマックと「スポーツ・パレード」のコリー・フォードが共同脚色し、「六百万交響楽」「林檎の頬」のグレゴリー・ラ・カヴァが監督に当たり「レヴュー艦隊」のバート・グレノンが撮影した。助演者は「暁の暴風」のユージーン・ボーレット、「舌戦速射砲」のフランク・モーガン、ロバート・マッケンジーそのほかである。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:The Half Naked Truth
ストーリー
宣伝屋のジミー・ベイツは屋台店を営んでいるテレジタという娘が渋皮の剥けているのに眼を付けて、マンディのサーカス男の裸踊りダンサーに売り込んだ。力業師のアキリーズはベイツに惚れたが、彼の宣伝の巧さにはマンディも惚れてサーカス全部の宣伝係りに取り立てた。ベイツはアップルトンという町での興行に際しテレジタの母親が往年この町の有力者に辱められたのを復讐すると誓っているという噂をふりまいた。それが当たってサーカスは大入りだったし、その上首に傷を持つ有力者たちは数々の若気の過ちを想い出して、槍玉に挙げられては困るのでテレジタを縅口させようと夫々賄賂に及んだ。そこまでは大成功だったが、ある日酔っ払ったアキリーズがベイツの自慢話しをして図に乗り種証をやったために、町の人々は激昂してサーカスを滅茶滅茶に壊してしまった。ベイツはテレジタを連れてニューヨークへ出た。エキゾティカ公女という触れ込みで一流のホテルへ泊まり、早速新聞社に電話を駆けて、トルコの後宮から脱出したエキゾティカ公女はマール・ファーレルのレヴューに主演すべくニューヨークに来たのである、と発表した。翌朝の新聞の大見出しを見て驚いたのは何も知らぬファーレルだった。が商売人の彼はこれだけの宣伝を無駄にしては惜しいと思いテレジタを雇うと同時にベイツの度胸と頭脳に惚れて彼を雇った。かくてテレジタのエキゾティカ公女は一夜にして全ニューヨークのセンセーションとなったのである。テレジタはベイツに愛を告白したが彼は恋愛よりも商売が第1だと教えた、その実彼は彼女に愛を感じていたのであるが。数週後成功に酔ったテレジタはベイツが改めて求婚すると鮮やかに肘鉄砲を食わせた。憤慨したベイツはブロンドの阿保娘グラディスを堀出して得意の大宣伝であらゆる新聞の第1面を彼女の撫で埋めてファーレルに看板女優として契約させた。テレジタは没落しグラディスの時代となり全米の企業家はベイツの敏腕を求め来った。一方テレジタはアキリーズ諸トルコのマンディのサーカス団に逆戻りした。その後ベイツは一座が不景気だ助けを乞うとのアキリーズからの電報を受け取った。ベイツはニューヨークの好い儲け口を蹴って駆け付けた。そこではテレジタが彼を待っていたことはもちろんである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- グレゴリー・ラ・カーバ
- 脚色
- バートレット・コーマック
- コリー・フォード
- 原作
- ベン・マークソン
- ハロルド・N・スワンソン
- 撮影
- バート・グレノン