囁きの合唱のレビュー・感想・評価
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救いなのか救いの無さなのか
柳下美恵さんのピアノ演奏で観るサイレント映画、今回はセシル・B・デミル監督の本作。 デミル監督と言えば、『地上最大のショウ』『サムソンとデリラ』そして何より『十戒』と言った大スペクタクル映画の監督と言ったイメージがあったのですが、それらは彼の最晩年の作品に過ぎず、キャリアの前半は多くのサイレント映画を撮っていたのです。 本作は、公金を使い込んだ末に他人に成りすまして逃げた男の哀れな末路と救いを描いた作品ですが、「救い」と見えるところが「救いの無さ」にもなっている点が奥深さを増していました。その終盤で柳下さんの奏でるブロックのコードが切なく響きました。
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