「リア充殺すべし……慈悲は無い……」エルム街の悪夢(1984) たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
リア充殺すべし……慈悲は無い……
有名なホラー映画『エルム街の悪夢』シリーズの第1作目。
夢の中に現れる殺人鬼フレディ・クルーガーの恐怖を描く。
主人公ナンシーの恋人グレン役に、レジェンド俳優ジョニー・デップ。本作で映画初出演を果たす。
狂気の殺人鬼フレディが女はエロチックに、男はサッサと殺していく映画です。
若きジョニー・デップが出演していますが、あまりにも今のイメージと違うので、誰がジョニー・デップ?状態になると思います。
突然現れるフレディには驚かされますが、怖いかといわれると別に…という感じ。現代から見ると、むしろちょっと滑稽に映ってしまいます。
血が大量に吹き出すシーンもありますが、余りにもやりすぎな感じでちょっと面白い。
金髪美女のティナが殺されるシーンは凄惨ですが、ボーイフレンドのロッドの白ブリーフ姿がちょっと面白い。
怖がらせようとするたびに、なんかちょっと面白くなっちゃうのは、一昔前のホラー映画には付き物のようです。
しかし、ナンシーを死体袋に入ったティナが誘う場面は結構怖かった。
血の涙を流しながら口からムカデをだすというベタベタな演出とはいえ結構不気味で、本作で唯一正統的なホラー表現でした。
とにかく今作では主人公のナンシーの周りの人間が鈍感過ぎてイライラさせられます。
両親も分からず屋だしボーイフレンドのジョニー・デップもすぐ寝るし、本当にどうしようもないです。
結局ナンシーが一人でフレディと対決するわけですが、もうこの辺りになってくるとほぼギャグ映画のようで全く怖がらせようともしていません。
『ホーム・アローン』を見ているような気がしてきます。
フレディがめちゃくちゃ弱い上、最後の呆気ないやられ方は肩透かしもいいところです。
とはいえ、ラストシーンの何処からが現実で夢なのかがわからなくなる展開は結構驚かされます。
縄跳びを跳ぶ子供達の不気味さも相まってかなり印象的なラストでした。
ホラー映画だと思ってみると全然怖くないですが、ラスト辺りはめちゃくちゃな展開が続き、バカバカしくて結構楽しかったです。
この後シリーズがどう続いていくのかが気になります(笑)