劇場公開日 1951年3月6日

「無邪気で純粋なスクリューボール・コメディだ。」奥様は魔女(1942) 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0無邪気で純粋なスクリューボール・コメディだ。

2024年10月27日
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公開当時(1942年)にしては、かなり先進的でセンスに満ちた映画で、魔女と人間の男性の恋を、軽妙でお洒落に描いたのが、フランス人監督ルネ・クレールらしいかなと。

本作は、魔女狩り裁判として実際に起きたセイラム魔女裁判(1692年-1693年)を元にしていて、灰となって閉じ込められた魔法使いと魔女の父娘が、自分たちを火あぶりにした清教徒とその子孫に罰を与えるべく、呪いをかける話になっている。

ヒロインが、悪意を持って罰を与えようとした人間の男性に、かえって恋をしてしまうところが面白い。男性が州知事を目指し、有力支援者と結婚直前だった話を、巧みに絡めている。

明るくカラッとしたロマンスと、遊び心に満ちた魔術が楽しく盛り込まれている。無邪気で純粋なロマンティック・ファンタジーだが、お笑いの要素も強いスクリューボール・コメディだ。

瀬戸口仁