劇場公開日:

解説

レイ・リグビーの脚本を「橋からの眺め」のシドニー・ルメットが監督した戦時挿話。撮影は「人間の絆」のオズワルド・モリス、音楽はこの映画のための特別なものはなく、主として自然音が採り入れられている。出演は「007/ゴールドフィンガー」のショーン・コネリー、ハリー・アンドリュースほか。製作はケネス・ハイマン。

1965年製作/アメリカ
原題または英題:The Hill
配給:MGM
劇場公開日:1965年7月3日

ストーリー

第二次大戦中、北アフリカのイギリス陸軍刑務所に、黒人を含む5人の囚人兵が送り込まれた。刑務所の実権を握っているのは特務曹長ウィルソンだが、直属の部下ウィリアムズが囚人たちに過酷な訓練をほどこしていた。中でもロバーツ(ショーン・コネリー)は出撃中に独断で部下をひきつれ退却したので士官から準士官に格下げされた男だった。それゆえにウィリアムズのロバーツに対する訓練はきびしかった。刑務所には、側面を石で築いた小高い砂の丘がある。囚人たちは灼熱の太陽の下、軍装に大きな袋をかついで、丘の上をのぼったり、下りたり倒れるまで絞られた。彼らは。ウィリアムズを憎んだ。そんな時、囚人の1人スティーブンが死んだ。原因は過酷な訓練にある。当局は事故として処理したが、ロバーツが真相をぶちまけた。彼は半殺しの目にあわされたが決心は変わらなかった。そんな彼に周囲の形勢は次第に有利に傾いた。ところが残る3人の囚人たちの、ウィリアムスに対する反感はつのる一方であり、ロバーツがウィリアムズの処分は法廷にまかせろと説得してもむだだった。ついに彼らはウィリアムズにつかみかかった。こうなっては万事休す。ロバーツは、ただ、頭をかかえこむばかりたった。

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映画レビュー

3.0過激描写の継続徹底が逆にテーマ性を薄れさせたか…

2022年7月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画は、「十二人の怒れる男」 「未知への飛行」「プリンス・オブ・シティ」 等の作品で大好きな監督の一人、 シドニー・ルメット監督作品だが、 これまで観る機会が無く、 レンタルしてようやく初鑑賞出来た。 現代だったら、マスコミに真っ先に糾弾 されそうなパワハラ・モラハラを 凝縮したような極端な話だが、 例えば「フルメタル・ジャケット」で描かれた 過酷な軍人訓練はまだ戦力になる兵士に 鍛え上げる観点があったろうが、 この作品の舞台は軍人用の刑務所。 ここではもはや訓練の域を超えた 拷問と言うべきレベルで、 その余りにも過酷なモラルハザードの 展開に終始し過ぎており、 ルメット監督らしいテーマの 広がりや深みまでは感じなかった。 せっかく掴みかけた勝利を、 積み重なる憎悪のために 棒に振るかのようなラストシーンは テーマの掘り下げる意図だったとは思うが、 シドニー・メリット監督作品にしては、 例えば「プリンス…」のラストシーンのような テーマに広がりと重層さをもたらすまでは 至らなかった印象だった。

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KENZO一級建築士事務所

5.0物凄いものを観た

2019年3月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

圧巻です とんでもないものを観たとしか言い様がありません 凄まじい脚本です そしてコネリーを初めとする役者達の、その演技たるや言葉を失います そして白黒の特性を活かした陰影ある撮影 見事です 本作を観たならば、フルメタルジャケットの教官の罵倒シーンすら生ぬるく感じてしまうでしょう そしてそれに立ち向かう各人の人間性の様々 陸軍刑務所という特殊な世界の様で日本の企業も同じではないでしょうか 超一流企業と言われる巨大メーカーが起こした不適切決算と呼称してマスゴミまでも誤魔化そうとした忖度した巨額粉飾事件はまさに本作の世界のことではないでしょうか あの企業のなかに本作の登場人物もいたのではないしょうか 死んでしまうスチーブンスも、司令官も、所長も、ウィリアムズもハリスも、黒人のジャッコ・キング も、ロバートも、証言を拒む同僚も、不正を糺す戦いから逃げる仲間も 丘とは、あの企業の社長達が指示したチャレンジそのものです いまもそんな企業はあるはず あなたは本作の登場人物の誰に当たるのでしょうか? 極限において本当の人間性が露になる そして最後の最後にやりきれないラストシーン エンドマークが出た時に私は放心していました 名作中の名作です 流石はシドニー・ルメット監督の代表作と言えるでしょう

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あき240