黄金の唄女
解説
ニューヨークミュージカル・コメディー界の花形ジューン・ナイトの第1回主演映画で、ウィリアム・ハールバット作の舞台劇をジョン・フランシス・ラーキンが脚色し、「泣き笑い人生」「アトランチック」のE・A・デュポンが監督にあたり、「虎鮫」「天国爆撃隊」のトニイ・ゴーディオが撮影した。共演者は「ある日曜日の午後」「十三号室の女」のニール・ハミルトン、「響け応援歌」のメアリー・カーライル、「餓鬼娘」のサリイ・オニール、「女囚の意気地」のドロシー・バージェス、「四十二番街」のジョージ・E・ストーン等で、このほかモード・エバーン、オスカー・アッフェル、ヴァージニア・チェリル、バートン・チャーチル等も出演している。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:Ladies Must Love
ストーリー
ニューヨークの富豪街パーク・アヴェニューのあるペントハウスに4人のゴールド・ディガースが共同生活している。ところが不景気のせいか皆仕事にあぶれて、目下働いているのはあるナイトクラブの唄い女をしているジーニイだけで、彼女のお給金で4人の生活を支えている有様である。ジーニイは他のペギィ、ドット及びサリイ・ルウのように達者なゴールド・ディガーではなく、浮いた稼業には似合わぬ立派な心掛けの娘だった。彼女がある晩唄っているのを見た南米帰りの富豪青年ビル・ラングホーンはいたく心を惹かれて、ついにジーニイの電話番号を書き留めて別れた。ところがその夜ジーニイはナイトクラブを首になった。そしてビルはビルでせっかく書き留めた電話番号の書付を失ってしまう。一方ペギイとドットとサリイ・ルウは、今の状態が変わっては困るので、4人のうち誰にしろ、給金でも贈り物でも受け立った場合は必ず山分けにすること、という約定書を作った。そしてジーニイにも署名させたが、首になった以上それもほとんど反故同然となった。相変らずカモが見つからないので4人の娘はついにマダム・フィフィの酒場に一晩5ドルで酌婦稼ぎすることとなる。ところがここでジーニイは唄っていて再びビルとめぐり会った。翌日彼女は彼のアパートに晩餐に呼ばれて行き、すっかり惚れ込んでしまった。ビルが彼女を訪れて来てダイアモンドの腕輪を贈ろうとしたが彼女は受け取らない。きき耳を立てていた3人は大憤慨した。ビルは猫の首にそっとはめて立ち去る。3人はジーニイに内緒で400ドルで質受けしてしまう。ジーニイは怒って400ドルを取り上げ質受けして、マダム・フィフィの酒場へ行きビルの来るのを心待ちに待った。そこで彼女に惚れ込んでいる老紳士ヴァン・ダインに乞わるるままに食事を共にしていると、サリイ・ルウに伴われたビルがやってきた。ジーニイは彼のテーブルに行き腕輪を返した。そして2人はお互いに真実愛し合っていることを誓いあった。ところがある日ビルは猫がじゃれている紙片を取り上げて見ると、それは例の「山分けいたすべきこと」の約定書でジーニイの名も署名されているのだ。ビルはすっかり幻滅を感じて、ジーニイがそれは冗談であると説明しても聞き入れず飛び出した。これでますますパンの種をなくしたので3人のゴールド・ディガー連はお互いに罪を塗り合って家具調度を破壊してしまい安宿に転居した。ところが知り合いの男の周旋で4人共あるビアガーデンに雇われることができた。ビルは社交界の娘と結婚しようとしていたが、ビアガーデンでジーニイに再び会って恋が復活し、ジーニイと結婚式を挙げた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- E・A・デュポン
- 脚色
- ジョン・フランシス・ラーキン
- 原作
- ウィリアム・ハールバット
- 撮影
- トニー・ゴーディオ