「原作はいったいどこへ行ってしまったのか・・・青春ラブストーリーになってしまってる。」ねらわれた学園 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
原作はいったいどこへ行ってしまったのか・・・青春ラブストーリーになってしまってる。
携帯禁止という現代的なテーマによって、テレパシーを使う未来からやってきた少年京極リョウイチは未来では地球が住めない星になり月に移住してるとカホリに告白する。未来では超能力に目覚めた子どもが徐々に増えてきてるのだが、それを過去=現代に戻ってそうした能力を持つ子供を増やすことがリョウイチの使命なわけだ・・・そこまでは良かったのだが、通信に限らず地球の環境汚染問題にもっと突っ込んでくるのかと思いきや、恋愛をメインにしたてあげてガッカリさせられるのだ。ケンジの隣に住む幼なじみである涼浦ナツキはケンジに夢中なのだが、ケンジはカホリに夢中になる。
新海誠風のタッチによる中学生時代の恋愛というノスタルジー感。さらにケンジも実は同じ能力を持つリョウイチの母親から産まれていたというサプライズ。すると兄弟なのか?などという展開もあいまいにして、最後には月へ帰るとか、実はケンジは死んでいたなんてわけのわからない夢を見せられ、結局はなんだったんだよ!と言いたくなる。ドビュッシーの「月の光」、『真夏の夜の夢』なんてのもモチーフにしてあるけど、社会派要素なんてのはほんのひとかけらしか表れてない・・・
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