「仄暗い袋小路のどん詰まり」思秋期 グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
仄暗い袋小路のどん詰まり
社会の仄暗い袋小路に吹き溜まった魂の、痛みも安らぎも冷静で慈愛に満ちた眼差しで見つめています。
苦さもあるけどほんのり温かい余韻がいい、音楽もいい。出会えて良かったです。
俳優としても活躍するパディ・コンシダインの長編初監督作品です。
抑えがたい怒りを抱えもがく男ジョセフと、彼に手を差しのべてくれた女性ハンナの話。
怒りと暴力と死で始まる冒頭は衝撃的でした。
ピーター・ミュラン、エディ・マーサンの名演もさることながら、コメディエンヌで知られるオリビア・コールマンが素晴らしく、見入ってしまいました。
ザンバラ髪が印象的な飲み友達役のネッド・デネヒーも良かったです。陽気な笑顔が、袋小路のどん詰まりからわずかに見える青空みたいでした。
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