「不快感が快感」悪の教典 ひちょさんの映画レビュー(感想・評価)
不快感が快感
いやーもう、楽しかった。
「時計じかけのオレンジ」が好きなんですが、学祭でこれから殺戮はじまるよー。
っていうシーンでの色合いといい、何よりミルクバーあったあたり「あれ?」と思ってワクワク。
上階に逃げた生徒たちの元へと「チッチッチチー」とリズミカルにやってくる姿と、ガツガツ殺していく姿に思わずこっちが気持ちよくなるレベル。
という感じで。
多分、非現実の世界だとわかっているからこそ現実的に楽しめてるんじゃないかと。
後半の雑なぐらいに一気にまくし立てられる殺戮シーンですが、個人的にはそれが好き。
まぁでもチョット雑感は否めないのでそこが若干マイナスではありますが。
でもそれがいい。
反対に言うなれば、自分が「人を殺したい」という衝動がまぁ、ない人のほうが多いのか。
猛烈にそういう衝動にかられつつもそこは普通の人間として(ただこの普通の定義が至極難しい)それはしない。
ただそれだけの話を毎日のように繰り返しているわけで。
そんな二面性と共に生活している人間からすれば、これは自分がやりたい世界をやってくれてて楽しかった。
なんて思うと言うと恐らく後ろ指指す人もいそうですが。
でも映画ってそういうもんでしょ。
兎に角。
私としてはラストのオチも好きですね。
逃げる方法はありますからね、この世界。
甘いんですよね。
そして終わった時私は満面の笑顔で「あー、やだ楽しい」なんて思ってたら、大体周りのポップコーンを前半ボリボリ食べてたり、足組んで前の席蹴飛ばすぐらいにマナー悪い若者がこぞってげっそりしてたのは寧ろ気分良かった。
各々「途中やになって寝たいけどねれなかった」とか「このあとご飯とか……」などと言いながら去っていく姿を見送りながら、ど真ん中の席に居た自分はスマホ片手にハスミンの口笛を小さく吹く勢いで笑顔。
ある意味三池作品。軽い気持ちでみんなし。という気持ちと共に、この狂った世界が、大きなスクリーンという世界にぽつんと有るのが好きな者としては、なかなか楽しかった。
鬱憤が溜まった時に見てすっきりしたいなんて思ったんでチョット盤出たら欲しいです。