「傷は見つめ過ぎてはいけない」アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち ヒポリタさんの映画レビュー(感想・評価)
傷は見つめ過ぎてはいけない
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それぞれに傷を抱えた家族の物語。
どんなに傷付けられた過去を主張しても聞き入られない母と娘、DVをした側である父親が支持されてしまう封建的なアメリカの田舎の闇を感じた。
自傷壁のある美しい娘が、次からは二人で会えたなら、と父に歩み寄りを見せたのに、父の答えは「俺には妻がいるから…」。さりげない描き方だけど、この男は娘も女として見ているのかと心底気持ち悪く感じたシーンでした。
また、ちょっぴりクレイジーだけど瑞々しい感性を持つエズラ・ミラーの演技にはとても惹かれました。家族を繋げるものは誰かの死である、という主張と彼の物語後半の行動は痛々しくもあり、実は根底には優しさもはらんでいるのだろうと想像しました。
最後のシーンで家族を載せた車を運転していたのが、自傷癖のある娘さんなのが印象に残りました。
一番傷ついた人が一番家族を結び付け導いている存在なのかなと。
家族であったとしても、誰かの気持ちを100%理解するということは難しいものです。
理解されることを期待すると依存的な姿勢を取ることになる。
考えの古い実家、離婚した夫からは気持ちも距離も離れて、幸せになって欲しいです。
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