「題材はいいのに傑作になれないジャパニーズ・ノワール」ナイトピープル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
題材はいいのに傑作になれないジャパニーズ・ノワール
バーを営む男。
雇って欲しいと現れた一人の美女。自殺した元恋人そっくり。
女の正体は…?
その女はある事件の犯人だと近付く刑事。
男女2人組による大物議員の2億円強奪事件。やくざが血眼になって金と犯人の行方を追う…。
それぞれの思惑が交錯。
最後に笑うのは…? 大金を掴むのは…?
謎の美女に翻弄されるファム・ファタール。
騙し騙されのコン・ゲーム。
裏社会のフィルム・ノワール。
邦画ではなかなか定着しないこれらのジャンルだが、
話はそれなりに飽きはせず、美男美女の危険な恋やジョニー・トー作品の路線を狙ったという銃撃戦(白昼堂々のなかなかの迫力)などを織り込み、小品だが邦画の同ジャンルでも頑張った方である。
しかしやはり、後一歩惜しい。
話は悪くないが、もっと痛快なくらいの騙し騙されが欲しかった。中盤からは逃避行アクションに。
ムードやスリリングさ、セクシーな魅力にも欠ける。
佐藤江梨子、北村一輝らは奮闘しているものの、時々サトエリの演技が拙い。
題材はいいのに傑作になれないジャパニーズ・ノワール。
コメントする