L.A. ギャング ストーリーのレビュー・感想・評価
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物足りなさはあるが、いい雰囲気
アクション要素が強く、エグみは少ないので誰でも観やすいギャング系映画だと思います。
俳優陣が豪華!ジョシュブローリン、ライアンゴズリングを始め、エマストーンやアンソニーマッキーも。
衣装や雰囲気も相まってみんな素敵です。スーツにハットっていいよね…。並んでるだけで絵になります。個人的には本作のアンソニーマッキーがとても良い。もっと活躍して欲しかったです。
展開もわかりやすい。字幕鑑賞でしたが、セリフは決めすぎてちょっとクサく感じる部分もあるかも。
ギャングにはギャングをぶつけんだよ、ということで警察内で秘密裏にチームを作るわけですが、人選をオマラの奥さんが担うのが好きでした。おかげでチームワーク抜群でしたね。
1人ずつ勧誘していくところ、わくわくしました。『荒野の七人』が思い起こされる。それぞれに得意分野があるのもキャラが立っていて良かったです。
映像も銃撃戦でのユニークな演出があったり、楽しめました。楽器ケースから銃取り出して投げ渡したりするところが地味に格好良くてお気に入りです。
銃の練習でマックスが上に投げた缶に何発も撃ち込むシーンが印象的。この時の会話が終盤の演出の伏線にもなっていて良かったです。
全体的にいい雰囲気なのですが、なんだか物足りなさが残りました。予想を裏切る展開がほぼないからでしょうか…登場人物が多いので全員の描写が薄くなってしまうというのもあるかと思います。死亡シーンもあっさりですし。あとは欲を言うとショーンペンにもっと迫力が欲しかった。
とはいえ、十分に楽しめる作品です。見て損はないと思います。
警察×893
この公式やと、大抵の映画は「=警察の勝利」やけど、まあ、そのまんま模範解答。警察とマフィアのぶつかり合いでも、双方の人生・ストーリーをキチンと描けば、複雑な展開になるやろうし、実際そういう映画もあるけど、これは単なる「善と悪の闘い」に終始。
警察側は色々「悩みやら葛藤やら」が描かれてるのに、マフィア側はそういうの捨象で、ただの「極悪人」。ので、「結末丸見え」の1次式。別に「マフィアを勝利させろ」というワケじゃないけど、「ラストどうなるんやろ?」感や、それがなくとも「オチでヒネってきたな」感が、欲しかったかな。
後、実話ベースらしいけど、殆ど全編に渡って、そうは思えないシーンだらけ。「ド素人の嫁さんが、警察の人事を決めたり、警官がマフィアの情婦と恋愛関係になる」トコとか含め、色々と「頭で逝った、"フィクション"と思わしきシーン」多数で、話の滅茶苦茶感がエグい。
ギャングの如き刑事(やろう)ども
DVDで鑑賞(吹替)。
非合法なギャングどもには、こちらも非合法かつ無茶なやり方で鉄槌を下すまで。そんなヤバい実話を元にギャングの如き刑事たちの活躍を描いたクライム・アクション。
ジョシュ・ブローリンを中心とした特捜チームが違法なんてなんのそのの大暴れ。ギャングの大物をとっちめるため、あの手この手の作戦を展開していく展開が秀逸でした。
策士策に溺れる的に敵に手の内を見破られ、仲間のひとりが犠牲になりながらも弔い合戦とばかりに本拠地に殴り込みを掛けるクライマックスの銃撃戦が大興奮でした。
[余談]
エマ・ストーンとライアン・ゴズリングのおふたり―「ラ・ラ・ランド」コンビはここでも一緒だったのか。何よりエマの色気のだだ漏れ工合が素晴らしかったです。
※修正(2023/11/08)
ジェリー、カッコいいぞ
ショーン・ペン演じるLAのギャング、ミッキー・コーエンにゲリラ戦で組織壊滅を仕掛ける警官達の話。
凶悪で残酷なコーエンの女グレイスと恋をするジェリー役のライアン・ゴズリングがメチャクチャカッコいい。イイ女の為なら危険を顧みない、靴磨きの少年の死に面してコーエンを潰す事を決める。絶対になれないけど、こんな男になりたいと憧れる。
コーエンに身分がバレないかと、常にハラハラしながら、最後まで惹きつけられた。
お洒落にするほど脚本のズサンさが際立つ
登場人物が決断したり感情を吐露するタイミングが不自然で入りにくい。愛人の彼女がいるんだから靴磨きの少年のエピソードはいらないんじゃないか。
最後にボクシングで決着つけるなら、いくら若くて正義感だとしても主人公の背景にボクシングが必要だと思う。
ウォーリアー観てニック・ノルティどんな演技するのかと思って観たけどおいしい役だがあくまで上に立つ隠居じじぃだった。
ライアンゴズリングのキャラクターとショーンペンの顔がよかった。
クラシックなハードボイルド(・∀・)イイネ!!
原題は"Gangster Squad"
つまり「ギャングどもの群れ」
その通りギャグの群れが舞台狭しと暴れまくり。
アメリカ史上最も有名なギャングの1人で、伝説のマフィアであるミッキー・コーエンをショーン・ペンが好演ワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪
ショーン・ペンは『アイ・アム・サム』とか『ミルク』とかの善人のイメージが強かったけど、今回はそれとは打って変わって極悪人を演じるのも(・∀・)イイ!!
予告編を観て
『俺たちに明日はない』
『ゴッドファーザー』
『アンタッチャブル』
『ディック・トレイシー』
『48時間』
『バグジー』
『L.A.コンフィデンシャル』
『ヒート』
『パブリック・エネミーズ』
等々ハリウッドを代表する犯罪映画、ギャング映画、ノワール映画を彷彿とさせるような雰囲気がぷんぷん。
さらに出演してるのが、ジョシュ・ブローリンを筆頭に
ライアン・ゴズリング
エマ・ストーン
ニック・ノルティ
そしてショーン・ペン
これは絶対観に行かんと!!!
と思って行ってきたε=ε=ε=┌(o゚ェ゚)┘
結論としては、これはノワール映画じゃあない(ヾノ・∀・`)
禁酒法時代のアメリカを舞台にした、クラシックな犯罪映画には間違いないけど、どっちかって言うとアクションムービーの娯楽大作。
でもそれがまたいいじゃないの(・∀・)ウン!!
実際にボクサーでもあったミッキー・コーエンがサンドバックを叩くシーンで始まったかと思いきや・・・
いきなりコーエンが敵対するギャングの手と足をロープで縛りつけて、牛裂きの刑ならぬ車裂きの刑で真っ二つ!!!Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
それからコーエンの娼館に1人で乗り込んだジョシュ・ブローリン扮するサージことジョン・オマラ刑事が、エレベーターでギャングを殴り倒して、相手の手をエレベーターの外に出して切断!!!(*`ロ´ノ)ノ
これは容赦しねえ映画だぞと観客にのっけから印象付ける。
サージ刑事の活躍を知った、ニック・ノルティ扮するパーカーロス市警本部長がサージを呼んで、コーエン摘発チームのリーダーに任命。
ニック・ノルティは『48時間』シリーズから30年近く経ってるけど、強面と迫力は年取った今でも変わらんな~(゚∀゚)アヒャ
旦那の無鉄砲さを心配してた奥さんは、腹には子供もいることだしそんな危険な任務やめてくれと言うが、コーエンを逮捕しない限りロスは安全な場所にはならんと説得。
そこからは奥さんも一緒になって、チームの人選を買って出るのも(・∀・)イイ!!
一癖あるメンバーを名簿から選んでから1人づつ直接サージが勧誘に行くのは、『アンタッチャブル』もそうだけど『X-MENファーストジェネレーション』も連想した。
ナイフ投げが得意な刑事
二丁拳銃が得意な刑事
尾行が得意な刑事
メカに強い刑事
そしてライアン・ゴズリング扮するジェリー刑事。
最初は勧誘されても断るが、バーの前でいつも声をかける靴磨きの少年を銃撃戦で殺されてから一念発起して、コーエン一味を壊滅させることを決意。
このベタだけど萌える展開は大好きv( ̄Д ̄)v イエイ
そしてコーエンの情婦である、エマ・ストーン演じるグレースとねんごろになるが、ここでのエマ・ストーンのエロさは素晴らしいです( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
『アメイジング・スパイダーマン』のヒロインは若干幼いと言うか、バタ臭い印象を出してたけど、今回は真っ赤なドレスで背中が大きく開いた妖艶な役で大変良かった(゚д゚)イーヨイイヨー
真っ赤なドレス、そして主人公を誘惑する美女・・・
映画が映画なら立派なファム・ファタールとして申し分ないo(`・д・´)o ウン!!
でもこの映画はノワール映画じゃない。
グレースはコーエンの情婦ではあるけどコーエンの元を去りたがってるわけだし、警察に裏で協力してるわけだから、ぶれてるのは男じゃなくて女。
そしてサージ刑事は家族を守るためにコーエンを摘発するべく奮闘してるわけだから、これはれっきとしたハードボイルド映画。
ハリウッド映画でこんなレトロでベタなハードボイルドは久しぶりかも知れないイイネ♪d('∀'o)
最初にサージがコーエン一味を襲撃する時に「これは捜査じゃねえ!!戦争なんだ!!!」と威勢良く檄を飛ばすも、簡単に返り討ちに遭って脱出して、さらに逮捕されるというどじさ加減もΣd(゚∀゚d)イカス!
すごすごと逃げ帰って来て、さらに簡単に奥さんにばれて怒られて(´・ω・`)ショボーン
アヒャヘ(゚∀゚*)人(*゚∀゚)ノアヒャ
その失敗があってからのリベンジ。
そこからゲリラ戦法みたいな襲撃を繰り返して、その度に「成功したぜカンパ─(*´ω`)o∪☆∪o(´ω`*)─イ」とホームパーティを開いて、そしてまた襲撃して飲んで襲撃して飲んで・・・
徐々に逞しいチームに成長していく。
コーエンも「もう勘弁ならねえ!!!」とぶち切れて、盗聴してることを突き止めて、そこから逆探知してチームのメカ担当キーラー刑事を殺害。
このキーラー刑事はチーム内で唯一の妻子持ち。
家では息子の自転車を修理したりするマイホームパパ。
寄りによってこの人が。・゚・(ノД`)・゚・。
サージも家を襲撃され、床に血が!!!工工工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工工
身重の奥さんも射殺されたか・・・?
と思いきや
生きてたε-(´∀`*)ホッ
床の血は出産したからという、どん底から一転してめでたい話に(・∀・)イイ!!
キーラー刑事を演じたジョヴァンニ・リビシは、『テッド』でテッドを自分の物にしたがる太った息子のためにしつこくテッドを付け狙うおっさんを熱演してたけど、今回は全然違って素朴なマイホームパパ刑事を熱演( ・∀・)イイ!
観た後で初めて気が付いた(;´∀`)
役者って凄いすね~ほんとに。
そして犠牲者はもう1人。
二丁拳銃のケナード刑事。
一番のベテランで、相棒と言うか後輩である尾行が得意なメキシカンのナビだ刑事を付き従えてる。
ナビダ刑事は勧誘されたわけじゃなく自ら志願してチームに加入したものの、銃撃戦では経験不足からあんまり戦力にはならず(´゚∀゚`;)
狙い通りに打てないナビダにケナードは「今ある場所じゃなくて、一瞬先を狙え!!」とアドバイスされ、ケナードが死んでからケナードの銃を渡されて、そのアドバイス通り撃って見事命中!!!
それで見事二丁拳銃を受け継いだ。
この流れもベタだけどいい(≧∇≦)b
ラストは銃撃戦じゃなく、サージとコーエンの素手の殴り合いってのもまた外連味たっぷりだし、男にとってはかなりぐっとくる(。´゚ェ゚)。´_ _)ゥン
そしてサージの鉄拳がコーエンを殴り倒して、コーエンは御用。
ここ最近じゃ珍しいくらいの男の子向け映画と言うか、派手な爆破シーンと銃撃戦、そして仲間を殺されて奮起してという、正に王道、正統派な勧善懲悪ムービー。
『西部警察』『あぶない刑事』を彷彿とさせる(゚∀゚)アヒャ
ただ不満もないわけじゃなく(;´Д`)
まず予告編で流れてた、ガラスの屋根に落下してそのままプールに飛び込むシーンがなぜ本編に入っとらんのだ???ヽ(`Д´)ノプンプン
『M:I』シリーズみたいで見たかったのに~~~o( ゚Д゚)oブンブン
それ以外ははっきり言って、申し分ないと思われる(・∀・)ウン!!
エンターテインメント映画としては十分だし、気軽に楽しめるいい映画。
L.A. ギャングランド。
いきなりナンですが、「ゾンビランド」は面白かったなぁー。
未だに内容を覚えているなんて、記憶に残るユルさゆえか^^;
えー!でまたどうして今作の監督なの(マジで驚いたんですが)
まさかL.A. ギャングランドじゃないよねぇ?なんて思いつつ。
色々やってみよう!っていう監督サイドの熱意は感じられるし、
今作も私はけっこう面白かったクチでして。
正統派ギャング映画、なるものが古くは40年代に遡るとゴロゴロ
あるけれど、今作は実話ベースでもかなり脚色されてますよねぇ。
アンタッチャブル、が近い方かなぁーと私的には思いましたが…
そもそもM・コーエンって、もっとずんぐりなオッサンで(ホントに)
S・ペンの方が、顔だけで100倍は怖い^^;
真の悪者ってどうも見た目は惑わす顔してますね、ギャングでも。
ベガスを有名にした「バグジー」は随分の色男でハリウッドも顔負け、
'91年の映画では同じく色男のW・ベイティが後の妻A・ベニングと
共演、この時のコーエン役はH・カイテルだった(この人も怖顔か^^;)
なのであんまりコーエンに対しては興味がなくて…(スイマセン)
しかしその後のロサンゼルスを牛耳ったのが彼だったことは有名。
(彼の逮捕後の血の抗争を描いたのが「L.A.コンフィデンシャル」)
政治も警察も総てが彼に買収されているような中で、どうやって
彼をしょっ引くか(汗)が、問題なんだけど、普通じゃムリよ!って
ことで、当時の市警本部長から密命が下される。それがいわゆる
「目には目を」作戦というか、もう警察バッジなんて外しちゃってさ、
ギャング顔負けの闘いを挑んでやっつけちゃってくれ!っていう、
あまりにご無体なご命令。それでも正義感の強い(これ正義なのか)
警察官(といってもはみ出し者ばかり)6人が集って抗争を仕掛ける…
という、聞いてるだけならとっても面白そうなお話。
でもこれ、自分の亭主に下された密命なら絶対にイヤですねぇ!
バッジを外しているから、殺されたって何の保証もないワケだし、
結局そういう仕事は名もない連中が担い、褒賞を受けちゃうのは
やっぱり上層部。っていう、分かり切った構図がのたまう世界。
どこの会社でも同じかもしれないけど、お父さん、どんだけのこと
を成し遂げたか(劇中でもあるけど)息子には教えてあげませんと。
それにしても…。
あちこちで繰り広げられる銃撃戦、けっこう迫力ありましたねぇ。
あれだけドンパチ☆して弾に当たらないってのもご愛嬌だけど^^;
主人公が死んじゃったら意味ないし、おそらくコイツは殺され
ちゃうんだろうなぁ…のところで、予想通り仲間が殺されていき。。
最後はヤツとの一騎打ち。とはいえ、コーエンって元ボクサーに
なり損ねた奴だから腕っぷしが強いのね。ムカつくのは、だったら
何であの時グレイスを逃がそうとしたジェリーの友人(名前忘れた)
に対して、銃弾を浴びせたんだ?私的にあの人が一番時代相応の
顔してたんで、良かったんだけどなぁ^^;'40年代の雰囲気だったし。
盗聴器仕掛けるのも、昔は大変だったのねー。でもあれでけっこう
音声がちゃんと拾えてたんだなーと(そういや昔のスパイ物がそうか)
色んな部分で古臭く、とはいえ話の流れや各キャラの佇まいは割と
現代風…という、ミックスだらけの不思議な味わいの物語。
主人公・オマラの妊娠中の婦人は大したもんでしたね。
血糊がべっとりついた廊下を見た時は…あぁ!!って思ったけど、
おぉ!そうきたか!!と、あの場面ではホントにホッとしましたわ。
リアルを追求したらこうはならなかった?ノリのいいドラマ。
ドキュメンタリー性を望むなら実録を観た方がいいけど、ギャング
映画にはこういうドラマ性が加わらないと、辛くて観てられないわ。
なので私的にはとっても面白かった作品。ラストもホッとするしね。
(しかし恐ろしい男がいたもんだわ。日本のどの悪党レベルかしら)
爽快!でもギャングこわい!
レディースデイだから何か映画をみよう、と思い観たのがこの映画でした。
予告も何も見ずに。
年齢制限あるだけあって、ギャングらしい(?)残虐で過激なシーンが前半にはたくさんあって、観ていて心地よさはありませんでした。観るの失敗したのかな、とも思いましたw
ですが、話がテンポよく進み、笑えるところもあり、だんだん楽しくなっていきました。
面長で始終カッコつけていたジェリー、良かったです。彼が殺気むき出しで敵に銃を向けるシーンは本当にカッコ良いです!
ラストのホテルにのりこむシーン、敵がわさわさと出てきたのでゾンビゲームを思い出して笑っちゃいましたw
決着では、あえて生かして逮捕、というのも、もともとは警察ですし納得です。
観ている最中何となく、味方のうち誰か死んじゃうんだろうな、とは思っていましたが、このくだりは無くても良かったんじゃないかな、と思います。味方は全員無事で、超爽快な復讐劇を貫き通しても良かったんじゃないかな~。
前半の残虐なシーンの印象が強すぎたために、観終わった後はとっても疲れてました。でも全体的におもしろかったので4.0です!映画館で見て良かった!
それと、エマストーン美人でした!今まで何とも思わなかったのですが、劇中に彼女に魅了されました!!
ノワールかと思ったらスパイアクションの変種だった
あの時代のロスを舞台にしたギャングと警察の抗争物、ということで、チャンドラー的というか、『チャイナタウン』や『L.A.コンフィデンシャル』みたいな作品を期待して行ったのですが、実際には『スパイ大作戦』や『ハングマン』みたいな秘密チーム物だった、という印象です。
まあ、チーム物と割り切ればそこそこ悪くないんですけどね。キャラはそれなりに立っていて、頑固なアイリッシュ警官のジョシュ・ブローリンがアカレンジャーだとすれば、ライアン・ゴズリングは斜に構えたアオレンジャーという、リーダー&サブリーダーの黄金パターンですし、他のメンバーも短いながらそれぞれに見せ場があってキャラの描き分けはできていました。
さらにチーム物として見たいシーン、
・メンバーのスカウトシーン
・男たちが横並びで歩くスローモーション(背景で爆発)
というようなお約束も一応やってくれます(クライマックスの前に武装シーンがあればなお良かった)。
キャラクターという面では、ミッキー・コーエンを演じたショーン・ペンは本職以上に本職ぽかったといえますし。
ただ。
あの時代のロスを舞台にするということは、文明の爛熟と退廃とでも言うような何かを描かないことには意味がないと思うんですが、そういう何かがこの作品にはありませんでした。
チーム物としてはそこそこ面白かったですけど、ノワールとしてはお約束が並べられているだけで、陰翳と深みが足りず、もっと後味が悪いのを観たかったですわ。脚本の問題(?)だと思うんですけど。
まずエンディングがハッピーすぎます。
メンバーで二人死人が出ていますが、そのほかにジョシュ・ブローリンの奥さんと、それからライアン・ゴズリングが死ぬべきキャラクター配置じゃないかな。
エマ・ストーンを匿ってサリバン・ステイプルトン演ずるジャックが殺されますが、キャラクターを整理して、ライアン・ゴズリングが殺されるようにしたほうがもっと盛り上がったはずです。エマ・ストーンの喪服姿も見られるし。
いちおう史実にインスパイアされた物語だそうですが、そのくらいの脚色は許されると思います。
それから、警察の腐敗と身内の裏切りという要素が足りないです。いちおう郡保安官が腐敗している設定ですが、ロス市警と組織が別なので身内に裏切られたというショックは特にないですし。
なによりボスがニック・ノルティで、悪徳腐敗警官を演じさせたら世界一のオーソリティというべき役者なのに(猫なで声で気持ち悪いし)、そのボスがとうとう正義の味方で終わるというのは納得いきません。いつ裏切るかと思って期待していたのに最後まで不発でした。
せめて「手柄を独り占めにしやがって」くらいの感じがあればまだ良かったのに、キャスティングを活かしきれず残念です。
それとヒロインのエマ・ストーンもファム・ファタールには物足りないです。まだ『ゾンビランド』で演じたようなラブコメ的小悪魔のレベルにとどまっていて、大人の女を演ずるには十年早かったという印象です。
以上、もろもろ物足りない面がありまして、悪くない面もそれなりにあっただけにもう一癖二癖欲しかったなあ、というところでした。
LAの夜の魅力と俳優それぞれの個性が夜空の星の様に光る作品
今から60年以上も前のLAに実際に君臨していたミッキー・コーエンと言う超大物ギャングと、彼の逮捕の為に立ち上がる巡査部長ジョン・オマラ率いる巡査部長達のディテクティブストーリー。
この映画は、あくまでも刑事ドラマの形式通りにオーソドックスな展開だ。特に真新しい展開形式など全く無いままに話しはゆっくりと進んでいく。
ある意味では安心して観る事が出来る定番の映画と言えばそう評価出来る作品だ。
無茶が無い分、先ずは料金を出した分は楽しめる。ハズレ無しの安心2重丸の作品だ。ではどこでこの映画を楽しめるのか?と言えば勿論俳優達の個性だ。
主人公のジョン・オマラ巡査部長を演じたジョシュ・ブローリンは直近では私の好きなウディ・アレン監督の「恋のロンドン狂騒曲」で売れない作家を演じていた。
このジョシュ親父さんは、見ての通りあんまり見かけが今風のイケメンタイプでないので逆にこの手の刑事物で、男臭い濃いキャラを演じると冴える。しかも芝居が巧い!
そして相棒のジェリー役はライアン・ゴズリング。そう言えば彼が出演していた昨年の映画「ドライヴ」では、現代のLAの夜を不気味に、そして妖しい魅力を放った魔界の都市LAとでも呼びたくなる街全体のカラーが非常に巧く出ていた。
この作品も同様に、夜のLAの街並のシーンも多数描かれて、街そのものがとても魅力的に描かれていたのが、セット撮影であっても印象的だった。
そのライアンは、あの甘いマスクと個性的な声でムードメーカーな巡査の魅力を演じていて、こう言う映画のアクションシーンとセットで必ず登場する女性との絡みのシーンでも嫌味が無くさらっとしたキャラで憎めないし、実に配役がこの映画は巧いよね。
そして、ギャングの大将のミッキーをショーン・ペーンが演じているし、多数演技派の競演と言うところでも見逃せない作品だ。
そして、金に決して屈する事なく正義を貫く警察本部長にはニック・ノルティーが当たっている。彼が随分と丸い身体になって老けていたのに驚いたが、彼ももう70才を過ぎていると言うので更に驚いた。ニックと言えば「48時間」と言う面白い映画もあったし、70年代に人気を博していたバート・レイノルズと共に刑事アクションや、時にはラブストーリーでも出ていたのを記憶している。
そしてこの作品の監督をしているのはルーベン・フライシャーだと言うが、私は彼の作品を観るのは今回が初めてだ。
前作はあのヒット作「ソーシャルネットワーク」で主演を務めていたジェシー・アイゼンバーグを主演で起用したコメディー映画「ピッザ・ボーイ」と言うから、何となく彼のテイストが解るような気がした。
この映画も、血も涙も無い、残忍なミッキー・コーエンの追跡ドラマであるにも関わらずシリアスドラマタッチではなく、どこか可笑しさがあるのは、この監督の味なのだろう。
レトロでムーディな音楽と共に昔のLAにこの映画で、旅するのも楽しみな時間だよ!
そう、そうっ!
「アンタッチャブル」をまた観たくなりました。
後半、ホテルのロビーでの銃撃戦。
クリスマスプレゼントの山が粉々に砕けるスローモーション。
そして赤い階段。
アンディ・ガルシアが階段から落ちた乳母車を受け止めながら銃を構えてる・・・
もう、なんだか、あのシーンが彷彿とさせられました。
ギャング映画を観て、また昔のギャング映画を観たくなる。
こんな懐かしい気持ちにさせてくれる映画でした。
あと、顔は知ってるんだけど、名前は知らない俳優さんが出てました。
硫酸をかけられた、ヘン顔の彼です!
おそらくエミネムの「8マイル」で脇役を演じた人だったかと思うんですが・・・
どなたか、お気づきなった方いませんか?
彼は今後、大成すると思います!
根拠はないですけど(笑)
最後がちょっとねぇ。
実話に基づいている映画。1950年代にロスアンゼルスであった、ロス市警とマフィアの戦いが舞台になっています。
どっちがギャングかわからないですね(苦笑)。1900年代~1950年代のアメリカは、ギャングの時代と言っても過言ではないわけで、有名なアル・カポネとも、“バグジー”ことベンジャミン・シーゲルなどとも時代が重なっています。
物語の舞台が第二次大戦後と言うのは重要な設定で、“日本との戦争が終わったのに、今度は、ギャングとの戦争が始まる”的な厭戦気分が若干見られます。朝鮮戦争は1950年からですから、ちょうど戦争がない時期だったので、それも仕方ないかも。しかし逆に、戦争で様々な戦いをしてきた男たちが警察官をしていた訳で、そう意味では、戦うべくして、戦いになったとも言えるかもしれません。
ちょっとわからない所が、判事と共に、市警本部長もミッキー・コーエンから饗応を受けているシーンが有るんですが、ミッキー・コーエンを倒せと言う命令をだしたのも市警本部長で有るわけで、実は、見ている間ずっと市警本部長に裏切られるのではないかと思っていたんですが、そんな事はありませんでした。一体どうして市警本部長は、ミッキー・コーエンを倒そうと思ったんですかね? 警察官としての良心?
インターネット上の百科事典サイトに拠れば、ミッキー・コーエンは殺人罪ではなくて、マフィア逮捕の常套手段の脱税で摘発されたみたいですね。この辺りは、物語を盛り上げる上での脚色・・・と言うか、一応、実話には基づいていますが、映画そのものはフィクションなので・・・と言うことなんでしょう。
ところで、ストーリーに関係はないんですが、ロバート・パトリックって、あの『ターミネーター2』のターミネーターT-1000を演じていたんですね。ビックリ。
キャストのことを言えば、この映画では、ショーン・ペンでしょうね。主演はジョシュ・ブローリンだし、ライアン・ゴズリングなんでしょうけど、存在感というと、ショーン・ペンです。彼の、冷酷で残虐なマフィアの首領の演技は圧倒的に素晴らしいです。だってねぇ。殺し方がえげつない・・・。
ここからネタバレ。
しかしながら、オマラ達とコーエンの戦いは、徐々に激化して盛り上がって行くんですが、キーラーが殺されたり、オマラの自宅が銃撃されたりしてオマラ班は追い詰められた上に解散の危機が迫るんですが、そんな危機的状況での起死回生の逮捕の決め手がグレイスが証言って・・・。あのまま強硬な捜査方針で行って、自分たちで逮捕の決め手を見つけるんじゃないんかい!そこはちょっと納得がいきませんでした。
全般的には、まぁまぁかな。
ノーテンキなお気楽ギャング映画
予告編を見れば分かると思うが、この映画はあくまで「事実を元にした純然たるフィクション」である。それもダイ・ハード並みに。
別に私はその点について、とやかく言うつもりは無い。むしろこの映画の馬鹿げた部分を気に入っているぐらいだ。
「いかにも」な戦後のLAがスクリーンいっぱいに登場し、挿入曲もこれまた「いかにも」時代を感じさせるものばかりだ。だがこの映画はリアリティを追求する類いの映画ではない。近年はまったく見られなくなったコテコテのギャング・アクション映画なのだから。
それでもこの映画に魅力があるのはひとえに俳優たちの力量によるものだ。ジョシュ・ブローリンは向こう見ずなタフガイをしっかり演じてくれている。彼がとる行動はどれもこれも無謀としか言いようが無いのに、良くも悪くも不安感を感じさせない。意外と銃器を使いたがらないところもミソだろう。
ライアン・ゴズリングはこの映画の中で一番素晴らしいシーンを担当している。彼が演じるジェリーは初めのうち、他の汚職警官と同じようにギャングの悪事を見過ごしている。だがあることがきっかけで(といってもかなり陳腐で唐突だが)凄まじい豹変を見せる。あの「ドライヴ」のライアン・ゴズリングがここでも見ることができるのだ。目が笑ってない時の彼はびっくりするほど凄みがあって、この映画で唯一鳥肌の立つシーンであった。
その他の役者も洗練されている。チームを編成する際、それぞれに特技があるおかげでとても楽しめるものになっている。何より誰一人としてキャラクターが被っていなかったのが良かった。
次に、ミッキー・コーエンを演じたショーン・ペンなのだが、前半はまあまあだった。静かな狂気を見せる場面が多くて彼の演技を生かすには十分だった。だが後半になると、次第にコミック調の大げさな「ギャングの親玉」に変貌していく。はっきり言って怖いとも何とも思わないが、そのコテコテの演技が見ていて楽しい。「サンタのお出ましだぜ」のシーンには笑わせてもらった。
彼の愛人を演じたエマ・ストーンは魅力的ではあるが、ファム・ファタールを演じるには色気が少ないように感じた。良い役者なのにほとんど出番が与えられず、たとえあったとしてもほとんど無意味な場面ばかり。とはいえ、序盤で見せるライアン・ゴズリングとの掛け合いは良く、台詞の中に40年代らしい華やかな雰囲気を感じさせてくれた。
それでも後半に行くに従い、この映画は自らの弱点を次々と露呈していく。
まずキャラクターの使い方がまったく上手くない。これだけ素晴らしい役者が際立ったキャラクターを演じているのに、肝心の戦闘シーンではまったく活躍していない。本当に、びっくりするぐらい。その銃撃戦の場面そのものも最低だ。まったくテンションの上がらないマシンガンの撃ち合いには飽き飽きさせられる。前半などで見せた殴り合いのシーンは効果音もぴったり調和していて、生々しさが良く出ていたのに。
よくわからない思わせぶりなシーンも気になる。本筋には全く必要のない無駄なシーンを多く含んでいるせいで、陳腐なストーリー展開がますます間延びすることになるのだ。
しかも、なぜだか後半では急に映像の質感が安っぽくなる。中盤の電信会社の襲撃シーンなどは陰影が際立っていてなかなかかっこよかった(馬鹿げたマシンガンもほとんど登場しない)。それなのに最後のホテルでの銃撃戦は妙に平坦な映像でまったく映画に入り込めなくなる。まるで映画が観客を拒絶しているみたいだ。
でも一番最悪なのはジョンとミッキーが退治するシーン。手元に銃があるのに、あえてジョンはそれを捨て、ミッキーとタイマンで勝負をする。ここから平坦な映像とヘタクソな構図が安っぽさを存分に引き出してくれるのだ。不良高校生だってもっとマシな決闘を見せてくれる。最後の最後で台無しになってしまった。
結局どうなのかというと、つまらなくは無かった。こういう何も考えなくて済むアクション映画には別の楽しみ方があるし、現に私は映画全体に流れる妙にのほほんとした空気感が嫌いじゃない。
最後の方でダメになったのは、おそらくシリアスさを引き出そうとしたせいだろう。何人かの仲間が倒れるのだが、あまりにも適当に盛り込まれているからまったく感動できないのだ。そんなことなら、最後まで頭空っぽアクション映画に徹して欲しかった。
はっきり言って良い映画ではない。でも意外と楽しめたのも事実である。
(2013年4月30日鑑賞)
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