「仕掛けたハズの地雷がほとんど作動しないトラップサスペンス」ブレイクアウト 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
仕掛けたハズの地雷がほとんど作動しないトラップサスペンス
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旦那がニコラス・ケイジで、奥さんがニコール・キッドマンというハリウッド屈指の曲者同士の夫婦噺やから、騙し討ちギッシリの展開を期待して出掛けたが、終始スッカスカで拍子抜けしてしまった。
居酒屋でカニ茹でて貰ったら、見映えは鮮やかな真っ赤で綺麗やけど、殻割ったら中身があらへん…って感じかな。
ハサミ持ったはええけど、ほじくり甲斐無いなぁ〜って…。
致命傷は、大々的にバラまいたハズのトラップが一切作動してなかった点に尽きるだろう。
旦那が必死に金庫の中の宝石を見せようとしない時点で中身が空やとすぐバレるし、一味に1枚噛んでるらしい奥さんも実は若いチンピラと昔ちょっと誘惑されたってぐらい。
互いの地雷が地雷の役割を果たしておらいない。
それでも爆発するぞ、爆発するぞ〜って煽るため、そのまま見守っていたら、単に強盗団が全然、計画練っていなかったねっ♪でオシマイ。
不発弾どころかホントに地雷埋めたの?!罠ってドコ!?って花火師のジョエル・シュマッカーに小一時間問い質したい。
爆発被害は生意気な娘がネズミ花火に追い掛け回されたぐらいがせいぜいではないか。
第一、夫婦の技が繰り出される前に、強盗団の輩が勝手に仲間割れして、勝手に自滅しているから、点火する暇なぞありゃしないのだ。
爆発したくとも、物語の導火線がとっくに湿気てる。
まあ、舞台が一軒家の中やから弾けるぐらいの規模でちょうど良いかもしれない。
しかし、トラップサスペンスにおいて、これほど哀しい線香花火は無いのである。
むしろ、クラッカーやったねっと、花火に水を差したところで短歌を一首
『腹探る 芝居の値打ち 壁一つ 未だ観ぬ宝 嘘を砕いて』
by全竜
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